CRISPR全ゲノムスクリーニング法によるAML新規治療標的分子の探索

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タイトル別名
  • Exploration of novel therapeutic targets in acute myeloid leukemia via genome-wide CRISPR screening
  • CRISPR ゼン ゲノムスクリーニングホウ ニ ヨル AML シンキ チリョウ ヒョウテキ ブンシ ノ タンサク

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抄録

<p>急性骨髄性白血病(AML)は予後不良疾患である。近年のシークエンス技術の発展により,その遺伝子異常が明らかとなってきてはいるものの,新たな治療法開発にはそれら遺伝子がAML細胞に及ぼす表現系に基づいた研究が必要である。今回我々は,新たに樹立したマウス白血病細胞株を用いてCRISPR全ゲノムスクリーニングを行い,130個のAML細胞生存に必須の遺伝子を同定した。本研究では,同定した130遺伝子のなかから,mRNA代謝経路に関与するDCPSに着目した。shRNAやDCPS阻害薬を用いた実験結果から,DCPSを阻害するとAML細胞に細胞周期停止とアポトーシスが誘導されることが明らかとなった。さらに,mass-spectrometry解析では,DCPSタンパクがpre-mRNA代謝に関わる分子群と結合することが示され,RNA-seq. 解析からはDCPS阻害薬がAML細胞にmRNAの異常スプライシングを引き起こすことが示された。最後に,PDXモデルを用いた実験結果では,DCPS阻害薬のin vivoにおける抗白血病効果が認められた。本研究結果から,DCPS(RNA代謝)を標的とする新規AML治療法の可能性が示された。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (7), 810-817, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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