ホールマウント免疫染色法によるシシャモ仔魚判別技術の開発

  • 莚平 裕次
    北海道大学大学院水産科学研究院 現所属:長崎大学海洋未来イノベーション機構環東シナ海環境資源研究センター
  • 川崎 琢真
    地方独立行政法人北海道立総合研究機構栽培水産試験場
  • 中田 訓彰
    北海道大学水産学部
  • 竹中 映美
    北海道大学水産学部
  • 永田 淳
    北海道大学大学院水産科学研究院
  • 石田 良太郎
    地方独立行政法人北海道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場
  • 山口 浩志
    地方独立行政法人北海道立総合研究機構釧路水産試験場
  • 佐藤 充
    地方独立行政法人北海道立総合研究機構中央水産試験場
  • 東藤 孝
    北海道大学大学院水産科学研究院
  • 平松 尚志
    北海道大学大学院水産科学研究院

書誌事項

タイトル別名
  • Development of a species identification method for shishamo smelt larvae using whole-mount immunohistochemistry
  • ホールマウント メンエキ センショクホウ ニ ヨル シシャモシギョ ハンベツ ギジュツ ノ カイハツ

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抄録

シシャモの資源量をより簡便かつ正確に把握するため,ホールマウント免疫染色法を用いたシシャモ仔魚判別技術の開発を行った。シシャモ人工種苗を抗原としてポリクローナル抗体を作製し,キュウリウオ人工種苗懸濁液による吸収操作を行った。その後 IgG 精製し,アルカリフォスファターゼで標識した。この標識抗体を用いて人工種苗に免疫染色を行ったところ,シシャモ仔魚とキュウリウオ仔魚の判別が可能となり,操作手順の簡略化とコスト削減に成功した。また,新釧路川における天然仔魚調査を行ったところ,調査中期以降仔魚の体長は徐々に小さくなった。開発した免疫染色法と16S rDNA 遺伝子の塩基配列解析による種判別から,調査前・中期ではシシャモ仔魚,後期ではキュウリウオ仔魚が多数を占めた。両手法は両種の存在比について近似した傾向を示したことから,免疫染色法はシシャモ仔魚の資源量調査において,効果的な手法となると考えられた。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 68 (1), 1-8, 2020

    日本水産増殖学会

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