バレーボールのスパイク技術に関する運動学的研究 : 高い打点で強く打撃するためのスパイク技術について バレーボール ノ スパイク ギジユツ ニ カンスル ウンドウガクテキ ケンキユウ

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著者

    • 橋原, 孝博 ハシハラ, ヨシヒロ

書誌事項

タイトル

バレーボールのスパイク技術に関する運動学的研究 : 高い打点で強く打撃するためのスパイク技術について

タイトル別名

バレーボール ノ スパイク ギジユツ ニ カンスル ウンドウガクテキ ケンキユウ

著者名

橋原, 孝博

著者別名

ハシハラ, ヨシヒロ

学位授与大学

筑波大学

取得学位

教育学博士

学位授与番号

博乙第380号

学位授与年月日

1987-03-25

注記・抄録

博士論文

本論文は以下の各章から構成されている。第1章 諸論第2章 文献研究第3章 問題第5-7章 スパイクにおける運動過程第8-10章 運動成果と運動過程の関連参考文献および資料上記の章立てから成る本論文を目的,方法,結果と考察の順で要約すると以下の様になる。 1. 目的 : 従来,一流選手のスパイクにおける跳躍高や打球速度に関する報告はあるが,動作を分析した報告は極めて少ない。本論文は国際試合における一流選手のスパイク動作を分析し,スパイク技術において最も重要な技術の一つである「高い打点で強く打撃するためのスパイク技術」を究明しようとした。 2.方法 : ワールドカップ'81における一流選手のスパイク動作を2台の16㎜高速度カメラにより100f.p.s.で撮影した。助走開始から着地までの身体各部位及びボールの3次元座標をDLT法により算出した。これをもとに,各選手の身体各部位の位置及び各関節角度のデータを規格化・平均化するばかりでなく,スパイク運動成果(助走速度,跳躍高,打球速度,打点高)と動作に関する各種測定項目との関連も検討することにより,本研究の目的を達成しようとした。3.緕果と考察 : (1)スパイク技術における運動過程 [1]助走局面において最も重要である踏切1歩前では,片足接地期と空中期からなる移動動作を行っていた。すなわち片足接地期では,胴体を前傾した状態で左右の腕をそれぞれ前,後に振りながら右腕を振り出していた。空中期直前から胴体は上方に起こされ,左腕は身体側方に振り上げられる。そして左足が離地する空中期では,胴体を前屈しながら両腕を身体後方に振り上げていた。 [2]踏切局面前半では,右足から踏み込み,脚は膝関節を屈曲しながら足部を中心にして前方回転されていた。胴体は前半開始直後わずかに前屈されるが,以後腰関節を伸展させ上方に起こされるような動きをしていた。そして腕は肘関節を伸展させながら前下方へ振り下ろされ,前半終了時では肩の位置でほぼ真下に下げられていた。後半では,左足を接地した後,脚は右左の順で膝関節を伸展し,次いで離地直前から足関節を伸展していた。胴体は伸展しながら身体右側に回転され,やや,後傾した状態で離地に至っていた。そして腕は肘関節を屈曲しながら前上方に振り上げられるが,右腕は左腕ほど振り上げられていなかった。 [3]スイング局面で重要なフ才アスイング動作についてみると,右腕は上腕が肩の位置までスイングされた後,手先が肩の上方を通るように前腕のスイングを開始していた。一方左腕は肘関節を屈曲しながら身体下方に振り下ろされ,インパクト時では肘を左脇腹に付け前腕を身体前方に出していた。胴体は身体左側に傾斜された状態で,右肩を前上方に,そして左肩を後下方に移動しながら前屈されていた。そして脚は膝関節を伸展しながら下腿を振り下ろしていた。[4]規格化・平均化の手法を用いてデータ処理すれば,各動きに共通に内在する要因を平均値により定量的に表わすことが可能であること,そして本研究の被験者は従来報告されているフィールド実験的方法による一流選手の研究結果と比較して同等もしくはそれ以上の運動成果を発揮していたことから,本研究において記述したスパイク運動過程は高い打点で強く打撃するためのスパイク技術における運動過程を表わしていると考えられる。 (2)運動成果と各種の測定項目との関連 [1]助走局面の課題の一つは大きな跳躍高を得るために踏切に移行した瞬間の助走速度を約4m/sにすることである。そのためには助走中,身体重心は多少上下動したとしても,その水平変位を踏切に近づくにつれて,徐々に大きくすることが重要であると考えられた。 助走の歩幅を踏切に近づくにつれて大きくし,特に踏切1歩助走局面では,両腕を身体後方に大きく振り上げるとともに,胴体を大きく前屈させながら歩幅を大きくすれば,重心の水平変位を大きくすることができ,踏切に移行した瞬聞の助走速度約4m/sにすることができると考えられた。[2]踏切局面における課題の一つは跳躍高を大きくすることであり,そのためには離地時重心上昇高と空中での重心上昇高の両方を大きくすることが重要であると考えられた。離地時重心上昇高を大きくするためには,形態的要因は別として,離地時において胴体および下肢各部分を鉛直に近く立てること,そして,腕を上方に高く上げることが役立つと考えられた。 空中での重心上昇高を大きくするためには, 1)身体を大きく後傾して踏切に移行するとともに,踏切中では腰および脚の各関節を大きく屈曲・伸展させ,身体重心の鉛直変位を大きくすること, 2)足関節をパワフルに伸展させるなどして身体重心の最大鉛直速度出現時と離地時のタイミングを一致させること, 3)左右の足をすばやく接地させ,両脚により屈曲・伸展するような踏切動作をして,踏切中の鉛直平均力を大きくすることが役立つと考えられた。[3] スイング局面における課題の一つは,打点高を高くし,インパクト直後のボール速度を大きくすることである。 打点を高くするためには,1)右の肩および肘関節を伸展させ,ボールを右肩の前上方で捉えること,2)バックスイング終了時まで下腿を身体後方に振り上げながら,左腕を身体前面で水平以上に保ち,フォアスイング開始と同時に左腕およぴ下腿を振り下ろすことが役立つと考えられた。インパクト直後のボール連度を大きくするためには,1)大きな力が発揮できる関節角度でインパクト姿勢をとること,2)フォアスイング中,胴体をあおるようにして肩一腰関節角度変位を大きくし,肩そして手先の速度を大きくすることが役立つと考えられた。

筑波大学教育学博士学位論文・昭和62年3月25日授与 (乙第380号)

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000059239
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000059393
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000223553
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
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