慢性分裂病の衝動病理学的側面からの検討 A Psychopathological Study of Chronic Schizophrenics Based on Szondi's Triehpathology

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著者

    • 山崎, 正数 ヤマサキ, マサカズ

書誌事項

タイトル

慢性分裂病の衝動病理学的側面からの検討

タイトル別名

A Psychopathological Study of Chronic Schizophrenics Based on Szondi's Triehpathology

著者名

山崎, 正数

著者別名

ヤマサキ, マサカズ

学位授与大学

広島大学

取得学位

医学博士

学位授与番号

乙第1969号

学位授与年月日

1990-03-06

注記・抄録

博士論文

1)著者は慢性精神分裂病患者(男性22名、女性18名)を対象にソンディ・テストを10回法で実施し、慢性精神分裂病患者の病態を衝動病理学的側面から検討した。2)因子反応では男女共通して憎悪感情(e-)の高率な存在、そして男性では膨張(p+)および依存と執着(m+)、女性では投影(p-)および別離(m-)が特徴であった。またh、m因子の相圧関係より、精神分裂病者の対象喪失状況を考察した。3)ベクター反応では、性衝動領域では日本人の特徴的反応である+-が頻発していた。感情衝動領域では反応の分散と頻回の鏡像反応を認め、最も不安定な衝動領域であり、感情鈍麻の背景に衝動的な感情の不安定さの存在が判明した。自我衝動領域では鏡像反応が多く、平凡反応と精神分裂病に特徴的な反応の両者にまたがる反応(類平凡反応)が多かった。この類平凡反応の出現が多いことが精神分裂病者で指摘されている「自我の脆弱性」を衝動病理学的に裏付ける所見と考えた。接触衝動領域では男女とも孤立化を意味する反応が多く出現し、接触性の障害が明らかとなった。以上のことから慢性精神分裂病者では辺縁の衝動危険性に対し、核心の防衛機能が十分に作用しない状況にあると考えた。特殊な鏡像反応の出現が全鏡像反応中約45%を占め、精神分裂病の衝動危険性を一層示唆する所見であった。4)精神分裂病に関連する核心のバリエーションの出現率は高く、男性では感情病的核心の出現が多かった。てんかん型核心も多かったが臨床的にはてんかんとの関連はなかった。存在形式の中では櫛症候群はなく、男性で快楽症候群が多かった。5)衝動過圧はh+への集中が認められ、性衝動の不充足が示唆された。6)傾向緊張商と症状反応百分率の問には相関はなかった。性度指数と社会性指数に特徴的と考えられる所見はなかった。7)衝動構造式では自我衝動領域と接触衝動領域の因子が症状因子を構成していた。これらの症状因子は慢性精神分裂病の病態を意味する反応だけに、臨床的に有用であった。衝動範疇としては安全弁範疇の割合が高かく、現実の衝劃危険性は防衛されていることを意味し、慢性精神分裂病の特徴でないかと考えた。8)以上のことから、臨床的には寡症状性と表現される慢性精神分裂病患者でも、背景に存在する各衝動領域で衝動危険性と不安定さの存在がソンディ・テストを通じ判明した。そして、ソンディ・テストで得られた所見と臨床症状の比較考察を行い、加えてソンディ・テストの臨床的有用性を言及した。

The author conducted Szondi's test on 40 chronic schizophrenics composed of 22 males and 18 females to study the triebpathology of chronic schizophrenics.In factorial reactions the existence of hatred affect was the most typical in male and female schizophrenics. In males expansion of ego and dependence and in females projection of ego and defection were characteristic. Their sexual drive was in an unsatisfied state and their affective drive was most unstable. As for ego drive, pseudonormal reactions which encompass both normal and schizophrenic reactions were predominant, a finding suggesting weakness of ego which is pointed out in schizophrenia. As for contact drive, reactions implying isolation were common. Mirror changes were common in affect and ego drive. The incidence of variation related to schizophrenia in middle pattern was high and that of affective middle pattern was also high in males. As for drive form, factorial reactions which imply the psychopathology of chronic schizophrenia were observed to compose the symptomatic factors, and among the drive classes the proportion occupied by safety valve class was high. These results were considered to be the pathological characteristics of drive in chronic schizophrenia and were discussed in comparison with the clinical symptoms.

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000072894
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000073089
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000237208
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
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