インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)患者における治療法の選択および合併症の進展に関与する因子の研究 A Study of Clinical Factors for Predicting Suitable Treatment of Diabetes, and Factors Associated with Complications in Non-Insulin-Dependent Diabetes Mellitus (NIDDM)

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著者

    • 田辺, 泰登, 1953- タナベ, ヤスト

書誌事項

タイトル

インスリン非依存性糖尿病(NIDDM)患者における治療法の選択および合併症の進展に関与する因子の研究

タイトル別名

A Study of Clinical Factors for Predicting Suitable Treatment of Diabetes, and Factors Associated with Complications in Non-Insulin-Dependent Diabetes Mellitus (NIDDM)

著者名

田辺, 泰登, 1953-

著者別名

タナベ, ヤスト

学位授与大学

広島大学

取得学位

医学博士

学位授与番号

乙第2107号

学位授与年月日

1991-02-21

注記・抄録

博士論文

糖尿病の治療方法を早期に決定し,持続性の高血糖状態を改善することは糖尿病性合併症の予防に重要と考えられるので,今回治療法の決定に関与すると考えられる因子について検討を行った。糖尿病の教育および治療目的で入院したインスリン非依存性糖尿病(non-insulln-dependent diabetes mellitus以下NIDDMと略す)患者436名を対象に,コントロール前の各臨床データより最終的治療法がどの程度予測可能か,また関与の大きい因子は何かを林の数量化理論第II類を用いた多変量解析により検討を加えた。目的変数は食事・運動療法(以下食事療法と略す),経口血糖降下剤療法(以下経口剤療法と略す),インスリン療法の各治療法とし,前もって単変量分析で関与が大きいと考えられた網膜症,腎症,神経症,肥満度,罹病期間,24時間蓄尿中のC-peptlde like immunoreactivity(以下U-CPRと略す)値,空腹時血糖値,75g経口ブドウ糖負荷試験(以下75gOGTTと略す)における120分,180分血糖値,およびヘモグロビンA1c、(以下HbA1cと略す)値の10因子を説明変数として多変量解析を行った。その結果,1)治療法の選択に際し,まず考慮すべきは,肥満度,罹病期間,空腹時血糖値の3因子であり,続いて75gOGTTにおける120分血糖値およびU-CPR値であった。すなわち痩せて,罹病期間が長く,血糖コントロールが不良でインスリン分泌能が低い症例に対しては経口剤もしくはインスリン治療の必要性が大きいと考えられた。一方,網膜症や腎症などの合併症の因子の関連は低いものであった。2)以上の10因子を用いる事によって,食事療法群-経口剤療法群間,食事療法群-インスリン療法群間,経口剤療法群一-インスリン療法群間の判別的中率はそれぞれ87.9%,95%,60%であり,食事群と薬剤群との判別は良好であった。3)治療法を経口剤療法にするかインスリン療法にするのが適当かを決定するには今回用いた入院時の10因子のみでは困難であり,個々の症例により検討を行う必要がある。次に,糖尿病合併症の進行を阻止するには合併症の進展に影響を及ぼす因子の解明が重要であると考えられる。そこで多変量解析の手法を同様に用いて糖尿病性網膜症,腎症,神経症,および心電図異常の各合併症に関与すると考えられる因子の解析を行った。目的変数は各合併症の有無やその程度とし,説明変数として網膜症,腎症,神経症,心電図異常,年齢,性,罹病期間,肥満度,治療法,最大血圧,最小血圧,空腹時血糖値,75gOGTTにおける120分血糖値,180分血糖値,尿酸値,血清総コレステロール値および中性脂肪値の各項目とした。その結果,1)網膜症,腎症,神経症の細小血管障害の共通関与因子は,罹病期間,肥満度,年齢であり,その発症・進展には共通のメカニズムが関与している可能性が示唆された、2)いずれの細小血管障害においても空腹時および糖負荷時の血糖値,性,心電図異常との関連は小さかった。3)入院時の血糖のコントロール状態と各合併症との関連は今回明かでなかったが,今後プロスペクティヴな検討が必要である。4)心電図異常を大血管障害の一指標とみなすと大血管障害と細小血管障害に関与する因子の共通性は少なく,それぞれの成因に異なった因子の関与が示唆された。5)大血管障害に影響を及ぼす困子はより多彩であり,今回用いた因子のみの分析では不充分と考えられた。

This study was conducted to evaluate clinical factors for prediction of suitable treatment and to identify factors associated with complications using a statistical method of quantification theory II in 436 patients with NIDDM.The results were as follows;1)The important factors for prediction of suitable treatment were fasting plasma glucose level, duration of diabetes and obesity index. Plasma glucose level at 120 min.on 75gOGTT and U-CPR level were also important.2)Presence of complications such as retinopathy or nephropathy did not influence selection of treatment.3)It was relatively easy to choose either diet therapy or drug therapies in NIDDM. However, it was difficult to select either oral-hypoglycemic agent or insulin therapy.4) Retinopathy, nephropathy and neuropathy strongly influenced their development each other. Factors mutually affecting these diabetic microangiopathies were the duration of diabetes, obesity index and age. On the other hand, the concern of sex, fasting plasma glucose level and ECG abnormality were less related to the development of microangiopathy.5)Factors affecting macroangiopathy, as indicated by ECG abnormality, differed from those of microangiopathy. Hence, further evaluation is needed for clarifying factors affecting the development of macroangiopathy.

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000077190
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000998556
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000241504
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
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