子宮頸部腺異形成に関する病理形態学的研究 Glandular Dysplasia of the Uterine Endocervix A Morphological and Immunohistochemical Study

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著者

    • 中西, 慶喜 ナカニシ, ヨシノブ

書誌事項

タイトル

子宮頸部腺異形成に関する病理形態学的研究

タイトル別名

Glandular Dysplasia of the Uterine Endocervix A Morphological and Immunohistochemical Study

著者名

中西, 慶喜

著者別名

ナカニシ, ヨシノブ

学位授与大学

広島大学

取得学位

医学博士

学位授与番号

乙第2121号

学位授与年月日

1991-03-07

注記・抄録

博士論文

子宮筋腫を主とする非癌子宮441例,子宮頸部扁平上皮癌347例,腺扁平上皮癌76例,腺癌・扁平上皮癌共存型33例,腺癌38例,計935例の手術材料を対象として,子宮頸部腺異形成について検討し,以下のような結論が得られた。1) 腺異形成は非癌症例中23.6%に認められ,癌症例のうち非癌頸管上皮が残存していた扁平上皮癌343例,腺扁平上皮癌61例,共存型32例,腺癌32例のなかで腺異形成はそれぞれ19.5%, 21.3%, 37.5%, 34.4%に観察された。共存型と腺癌を合わせた発現頻度35.9%は非癌症例に比べ有意に高かったが(p<0.05),扁平上皮癌と腺扁平上皮癌では非癌症例との間に有意差は認められなかった。2) 腺異形成の局在,程度を検討した結果,非癌症例(441例)の腺上皮では下部が47例と最も多く,中部31例,上部18例であり,被覆上皮では下部,中部に10例ずつ認められ,上部は1例にすぎなかった。異形成の程度は軽度84例,中等度31例,高度2例であった。扁平上皮癌(343例)の腺上皮では下部が32例と最も多く,中部20例,上部7例であり,被覆上皮では下部に6例,中部に7例認められた。異形成の程度は軽度59例,中等度12例,高度1例であった。腺扁平上皮癌(61例)の腺上皮では下部が10例と最も多く,中部3例,上部1例であり,被覆上皮には下部に1例認められた。異形成の程度は軽度4例,中等度6例,高度5例であった。腺癌(32例)+共存型(32例)の腺上皮では下部が17例と最も多く,中部は4例であり,被覆上皮には下部に3例みられた。異形成の程度は軽度5例,中等度11例,高度8例であった。また22例の初期腺癌のうち18例が下部腺上皮に,4例が中部腺上皮に認められ,被覆円柱上皮にその主病巣をおく例はなかった。3) 免疫組織化学的な検討ではCA125の陽性率は正常頸管上皮55%,腺異形成42%,腺癌33%であり,CA19-9ではそれぞれ56%,56%,72%,CEAでは17%,44%,94%,keratinでは24%,44%,83%,EMAでは83%,89%,100%,secretory componentでは26%,31%,56%,HMFG-1では62%,67%,39%,HMFG-2では50%,61%,94%であった。4) 初期腺癌の連続切片を作成し,癌の進展および周囲の随伴病変を観察すると,腺癌に腺異形成が随伴性にみられるものと,みられないものがあり,腺異形成から進展する腺癌とde novoに発生する腺癌の二通りが考えられた。5) 以上の結果から,腺癌+共存型では非癌症例に比し,腺異形成の出現頻度が高く,異型度が強くなる傾向が認められた。局在については腺異形成は腺上皮領域,とくに下部において多く存在し,初期腺癌の発生部位と類似していた。また腺異形成におけるCA125,CEA,keratin,EMA,secretory component,HMFG-2の陽性率は正常頸管上皮と腺癌との中間に位置していたことより,腺異形成は扁平上皮異形成と同様に良悪性の境界病変であり,一部のものは将来腺癌へ進行する前癌病変であることが示唆された。

The endocervical mucosa was evaluated morphologically and immunohistochemically in 935 cases (441 non-cancerous, 347 squamous cell carcinoma, 109 mixed type of adenocarcinoma and squamous cell carcinoma and 38 adenocarcinoma of the cervix) to indicate the relationship between glandular dysplasia and endocervical adenocarcinoma. The following results were obtained.(1) Glandular dysplasia occurred in 35.9% of the cases with endocervical adenocarcinoma including co-existence with squamous cell carcinoma, significantly more than the 23.6% of the cases with non-cancerous uterus.(2) Glandular dysplasia was found in the glandular epithelium of the lower portion of the endocervix for the most part. Early stage adenocarcinoma of 22 cases was present in the lower portion in 18 cases and in the remaining 4 cases it located in the middle portion. No case was localized only in the covering epithelium.(3) Immunohistochemically CEA and keratin were useful to differentiate adenocarcinoma from the normal endocervical epithelium, and positive rate in glandular dysplasia was between the two lesions.(4) Reconstruction of the cancerous gland using serial sections of early stage adenocarcinoma showed that there were two types of adenocarcinoma accompanied with/without glandular dysplasia.(5) These findings suggested that glandular dysplasia is precancerous lesion of endocervical adenocarcinoma.

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000077204
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000077407
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000241518
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
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