6位に水酸基を有する胆汁塩の比較生化学的研究

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著者

    • 吉井, 美智子 ヨシイ, ミチコ

書誌事項

タイトル

6位に水酸基を有する胆汁塩の比較生化学的研究

著者名

吉井, 美智子

著者別名

ヨシイ, ミチコ

学位授与大学

広島大学

取得学位

薬学博士

学位授与番号

乙第2135号

学位授与年月日

1991-03-07

注記・抄録

博士論文

1. 5β-cholestane-3α,6β,7α,25,26-pentolの合成ケノデオキシコール酸を低温下にクロム酸酸化して7-ケトリトコール酸とし、これをメチルエステル-アセタートとした後に酢酸中で臭素と処理して6-プロム体とし、これの7位のケト基をNaBH4で還元し、酢酸中亜鉛と処理後、アルカリ加水分解して3α-hydroxy-5β-chol-6-enoic acidを得た。これの3α-水酸基をホルミル化して保護した後、Arndt-Eistert反応により側鎖炭素の一個延長された3α-hydroxy-25-homo-5β-cho1-6-en-25-oic acidを得た。これをメチルエステル化後、m-クロロ過安息香酸酸化して6,7-epoxideとし、酢酸と処理後、アルカリ加水分解して3α,6β,7α-tri-hydroxy-25-homo-5β-cholan-25-oic acidを得た。これをアセタートにし塩化チオニル処理で酸塩化物とした後、ジアゾメタンと反応させてジアゾケトン体を得た。次にこれを酢酸と処理し3α,6β,7α.26-tetraacetoxy-27-nor-5β-cholestan-25-oneとし、最後にこれとCH3MgIとをGrignard反応により縮合させて、最終目的物である5β-cholestane-3α,6β,7α,25,26-pentolを得た。この合成品はWest Indian manateeの胆汁主成分、α-trichecholとTLC,GLC,GC-MS,1H-NMRの全てにおいて完全に一致し、その構造を5β-holestane-3α,6β,7α,25,26-pentolと確定することができた。2. 3α,6α,7α,12α-tetrahydroxy-5β-cholanoicacidと3α,6α,7α,12α-tetra-hydroxy-5β-cholestanoicacidの合成コール酸をn-プロモこはく酸イミド酸化して7-ケトデオキシコール酸とし、これをエチルエステル-アセタートとした後、酢酸中で臭素と処理し、6-プロム体を得、これを室温下に希アルカリで処理後、メチルエステルとしてシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製、その7-ケト基を水素化ホウ素ナトリウムで還元後、アルカリ加水分解して3α,6α,7α,12α-tetrahydroxy-5β-cholanoic acidを得た。これをアセタートとした後、クロロ炭酸エチルを反応させて生じた酸無水物を、水素化ホウ素ナトリウムで還元して24-アルコールとし、次にこれをピリジニウムクロロクロメイトで酸化して得たアルデヒドに(carbethoxyethylidene)triphenylphosphoraneをWittig反応で縮合、アルカリ加水分解して3α,6α,7α,12α-tetrahydroxy-5β-cholest-24-en-oic acidを得た。このΔ24酸を白金触媒のもとに接触還元し目的物質である3α,6α,7α,12α-tetrahydroxy-5β-cholestanoicacidを得た。Zellweger's syndrome患者の尿中C27胆汁酸の一つはこの合成C27胆汁酸とガスクロマトグラフィー上の挙動とマススベクトルが完全に一致し、その生成、存在を確定することができた。3. 3α,6β,7α,12α-tetrabydroxy-5β-cholanoicacidと3α,6β,7β,12α-tetra-hydroxy-5β-cbolanoic acidの合成コール酸メチルをNBS酸化により7-ケト体にした後、1.と同じ方法によりmethyl 3α,12α-diacetoxy-5β-chol-6-enoateを調製、そのΔ6二重結合をm-クロロ過安息香酸を用いてエポキシ化し、これを酢酸と処理後、アルカリ加水分解して3α,6β,7α,12α-tetrahydroxy-5β-cholanoic acidを得た。3α,6β,7β,12α-tetrahydroxy-5β-cholanoicacidは同じくmethyl 3α,12α-diacetoxy-5β-chol-6-enoateを四酸化オスミウム酸化後、アルカリ加水分解して調製した。羊水中胆汁酸と、これら二種の合成品と2.で合成した3α,6α,7α,12α-tetra-hydroxy-5β一cholanoic acidとを直接に比較検討した結果、ヒト体液中にこれら三種の6-水酸化C24胆汁酸が存在していることを確認することができた。4. 6-水酸化胆汁塩の生成と存在の意義本研究において6位に水酸基を有する胆汁アルコールとC27胆汁酸の存在を初めて確定することができ、またヒト体液中に6位に水酸基をもつ三種のテトラヒドロキシC24胆汁酸が常在しているという事実も明らかにすることができた。これらの結果より、6位に水酸基を有する胆汁塩は決して特定の動物に種属特異的に生成し存在するものではなく、むしろ6-水酸化能はヒトを含めて全ての動物に広く分布存在するものであって、動物の種類、年齢、健康状態によって活性の強弱が異なるに過ぎないということを明らかにすることができた。

目次序章 6-水酸化胆汁塩 / p1第1章 6位に水酸基を有する胆汁アルコール / p12第2章 6位に水酸基を有するC₂₇胆汁酸 / p21第3章 6位に水酸基を有するC₂₄胆汁酸 / p27終章 要約 / p33実験の部 / p35参考文献 / p50謝辞 / p58

目次

  1. 目次 / (0006.jp2)
  2. 序章 6-水酸化胆汁塩 / p1 (0007.jp2)
  3. 第1章 6位に水酸基を有する胆汁アルコール / p12 (0013.jp2)
  4. 第2章 6位に水酸基を有するC₂₇胆汁酸 / p21 (0017.jp2)
  5. 第3章 6位に水酸基を有するC₂₄胆汁酸 / p27 (0020.jp2)
  6. 終章 要約 / p33 (0023.jp2)
  7. 実験の部 / p35 (0024.jp2)
  8. 参考文献 / p50 (0032.jp2)
  9. 謝辞 / p58 (0036.jp2)
  10. Synthesis of 5β-Cholestane-3α,6β,7α,25,26-pentol and Identification of a Novel Bile Alcohol, α-Trichechol,Present in the West Indian Manatee Bile / p1852 (0041.jp2)
  11. Identification of 3α,6α,7α,12α-Tetrahydroxy-5β-Cholestanoic Acid in Zellweger's Syndrome / p501 (0042.jp2)
  12. Identification of 3,6,7,12-tetrahydroxy-5β-cholan-24-oic acids in human biologic fluids / p512 (0044.jp2)
3アクセス

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000077218
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000077421
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000241532
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
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