イソアワモチ眼外光受容器の光情報処理とその機能に関する研究

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著者

    • 西, 孝子 ニシ, タカコ

書誌事項

タイトル

イソアワモチ眼外光受容器の光情報処理とその機能に関する研究

著者名

西, 孝子

著者別名

ニシ, タカコ

学位授与大学

広島大学

取得学位

学術博士

学位授与番号

乙第2227号

学位授与年月日

1992-03-04

注記・抄録

博士論文

網膜における視細胞と比較すると、眼外光受容器の光受容に関する研究は遅れている。本研究の第1章ではイソアワモチの眼外光受容器A-P-1の細胞内光情報伝達機構が調べられた。その結果、A-P-1において、光感受性のK+イオン電流は細胞内cGMPによって発生するが、cGMPの加水分解はその電流を抑制し光受容器電位、すなわち光応答を導くことが示された。またA-P-1の光応答は、cGMPの加水分解に関与した同じGタンパク質を経由して生じるIP3によって促進されることも示唆された。第2章では、A-P-1と同じ腹部神経節に存在するEs-1の光応答が調べられた。Es-1は、他からのシナプス入力がない状態では、K+コンダクタンスの減少による脱分極性の光応答をおこない、A-P-1と同様に自ら光に応答する眼外光受容器として機能することが示された。このEs-1の光応答のイオン機構はA-P-1のそれと共通するが、580nmに最大感度を示す点でA-P-1と異なっていた。Es-1は正常では490nmに最大感度を示すA-P-1から抑制性のシナプス入力を受けた。このA-P-1からEs-1へのシナプス伝達は前細胞の活動電位を必要とせず、閾値以下の持続時間の長い電位変化で十分可能であった。かくて、Es-1の光応答は長波長域ではそれ自体の応答による興奮性(脱分極)の応答となるが、短波長域ではA-P-1由来の抑制性(過分極)のシナプス応答を示し、光の波長によって応答の極性が変化し、波長弁別を行っていることが示された。最後の第3章において、イソアワモチの生息地での生態観察及び室内での行動実験を行った。イソアワモチに波長の違いに依存した行動が見られ、このような行動を制御するのに、上述のA-P-1とEs-1のような光受容系を利用する可能性が高いことを示した。本研究のように、眼外光受容器の波長弁別(色弁別)機能を示した報告は他に知られていない。一方、色識別の機構は高度に分化した網膜において数多くなされているが、未だその解明にはほど遠いのが現状である。かくて、イソアワモチのように構造が単純で未分化の眼外光受容系における色識別の知見は、系統発生学的に高度に発達した光受容系(網膜)における色識別の解明に、少なからず寄与することが期待される。

目次 / p1序論 / p4第1章 イソアワモチ眼外光受容器の細胞内光情報伝達系について / p6 1.はじめに / p6 2.材料と方法 / p7 3.結果 / p10 4.考察 / p14第2章 イソアワモチ眼外光受容系で生じる波長弁別機構について / p18 1.はじめに / p18 2.材料と方法 / p19 3.結果 / p20 4.考察 / p27第3章 イソアワモチの行動に対する光環境の影響 / p31 1.はじめに / p31 2.方法 / p32 3.結果および考察 / p33まとめ / p37謝辞 / p39引用文献 / p40付図とその説明

目次

  1. 目次 / p1 (0003.jp2)
  2. 序論 / p4 (0006.jp2)
  3. 第1章 イソアワモチ眼外光受容器の細胞内光情報伝達系について / p6 (0008.jp2)
  4. 1.はじめに / p6 (0008.jp2)
  5. 2.材料と方法 / p7 (0009.jp2)
  6. 3.結果 / p10 (0012.jp2)
  7. 4.考察 / p14 (0016.jp2)
  8. 第2章 イソアワモチ眼外光受容系で生じる波長弁別機構について / p18 (0020.jp2)
  9. 1.はじめに / p18 (0020.jp2)
  10. 2.材料と方法 / p19 (0021.jp2)
  11. 3.結果 / p20 (0022.jp2)
  12. 4.考察 / p27 (0029.jp2)
  13. 第3章 イソアワモチの行動に対する光環境の影響 / p31 (0033.jp2)
  14. 1.はじめに / p31 (0033.jp2)
  15. 2.方法 / p32 (0034.jp2)
  16. 3.結果および考察 / p33 (0035.jp2)
  17. まとめ / p37 (0039.jp2)
  18. 謝辞 / p39 (0041.jp2)
  19. 引用文献 / p40 (0042.jp2)
  20. 付図とその説明 / (0047.jp2)
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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000086551
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000086765
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000250865
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
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