臨床上重篤な副作用がある医薬品の投与量の適正化を目的としたファーマコキネティックスの応用 リンショウジョウ ジュウトクナ フクサヨウ ガ アル イヤクヒン ノ トウヨリョウ ノ テキセイカ オ モクテキ トシタ ファーマコキネティックス ノ オウヨウ

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著者

    • 森川, 則文, 1958- モリカワ, ノリフミ

書誌事項

タイトル

臨床上重篤な副作用がある医薬品の投与量の適正化を目的としたファーマコキネティックスの応用

タイトル別名

リンショウジョウ ジュウトクナ フクサヨウ ガ アル イヤクヒン ノ トウヨリョウ ノ テキセイカ オ モクテキ トシタ ファーマコキネティックス ノ オウヨウ

著者名

森川, 則文, 1958-

著者別名

モリカワ, ノリフミ

学位授与大学

徳島大学

取得学位

博士 (薬学)

学位授与番号

乙第1270号

学位授与年月日

1993-02-11

注記・抄録

博士論文

薬物療法では,患者個々の病状に適応した最適の治療を行うことが理 想的であり,薬学の実戦の場である病院においても, pharmacokinetics (薬物速度論)およびclinical pharmacokinetics(臨床薬物速度論) の 考え方が定着してきた. しかし, 臨床からの強い要望と高い期待に反し て,実際の患者に対する実践は遅れている.そこで, clinical pharmacokinetics の臨床における実践と発展を目標に,特に高い危険性がある にもかかわらず,臨床上必要なために行われている幾つかの治療法に対 し, 患者およびボランティアを用い,薬物の体内動態と投与設計の適正 化への検討を行い,以下のような知見が得られた. 1) 体内動態解析プログラム(OMULTI-D)の開発 臨床の復維な薬物療法に対応可能で,計算精度が高く再現性のある薬 動力学的パラメータ値を,短時間に算出することができる非線型最小二 乗法プログラム(OMULTI-D)を構築した. 2)テオフィリン徐放製剤の体内動態 気管支喘息の治療剤であるテオフィリンを用い,経口の徐放製剤の空 腹時と食後の体内動態の違いを,徐放製剤からの放出過程を考慮に入れ たモデルにて検討し,徐放製剤からの薬物の放出過程が血中濃度推移に 大きな影響を与えることと,薬物の放出過程を考慮に入れたモデルで解 析する必要性を示した. さらに,消化管内での錠剤からの薬物の放出動 態,消化管内での存在動態をシミュレーションし,従来測定不可能な消 化管内での薬物動態を把握することが可能になった. また,テオフィリ ン徐放製剤を食後服用した場合,空腹時より最高血中濃度が上昇する原 因は,食事により消化管からの吸収にラグタイムが生じ,その間に蓄積 されたテオフィリンが,その後,薬物の吸収の開始とともに急速に体内 に吸収されるために起きることを明らかとした. 3)メソトレキセート大量療法時のメソトレキセー卜の体内動態 抗悪性腫瘍剤のメソトレキセートの体内動態を,血中濃度推移と尿中 排泄推移から比較検討した. メソトレキセー卜の血中濃度と尿中排泄動態 には高い相関性があることが明らかとなり,血中濃度と尿中排泄速度 の同時解析を行うことで,精度の高い薬動力学的パラメータが得られる ことを明らかとした. さらに,主代謝物であり,腎毒性の原因の一つと 言われている7-ヒドロキシ-メソトレキセートを患者の尿から単離し, 親化合物と代謝物の体内動態の迷いを検討し代謝物の方が親化合物よ りも組織移行性が高いことを明らかとした. また,親化合物と代謝物の 血中濃度比から代謝物の生成状況が把握でき,この血中濃度比がメソト レキセー卜大量療法時の投与設計の指標になることを明らかとした. 4)バルビタール大量療法時のサイアミラールの体内動態 バルビタール系麻酔剤のうち,超短時間型のサイアミラールの投与方 法と投与量による体内動態の違いを検討した. バルビタール大量療法時 のサイアミラールの体内動態は,長時間型の薬剤として考える必要があ ることを明らかとし,その薬動力学的パラメータを得た. また, 蓄積相 を考慮したモデルを構築し,投与終了後に生じる血中濃度の再上昇現象 を考察した結果,サイアミラールの蓄積相からの再放出の可能性を示し た. さらに,血中サイアミラール濃度と脳波上での静止期間との間に相 関性のないことが確認された. この結果,血中濃度モニタリングによる バルビタール療法時のサイアミラールの投与設計の可能性を示した. 特に副作用の発現が示唆される治療を行う際に, 薬物の体内動態とそ の効果的利用法について検討することは,より良い薬物療法を行う上で 大いに貢献し,患者の利益に結びつくと考えられる. そして,本研究の 結果は,様々な医薬品の有効利用の可能性を通じて医療の進歩に貢献す ると考えられる.

目次

  1. 論文目録 / (0002.jp2)
  2. 論文内容要旨 / (0007.jp2)
  3. 目次 / (0011.jp2)
  4. 序論 / p1 (0012.jp2)
  5. 本論 / p4 (0014.jp2)
  6. 第1章 体内動態解析プログラム(OMULTI-D)の開発 / p4 (0014.jp2)
  7. 1.1.プログラムの改良 / p4 (0014.jp2)
  8. 1.2.0MULTI-Dの稼働 / p6 (0015.jp2)
  9. 1.3.各アルゴリズムの比較 / p13 (0018.jp2)
  10. 1.4.まとめ / p15 (0019.jp2)
  11. 第2章 テオフィリン徐放製剤の体内動態 / p22 (0023.jp2)
  12. 2.1.テオフィリン徐放製剤の溶出試験 / p23 (0023.jp2)
  13. 2.2.テオフィリン徐放製剤の空腹時服用後の血中テオフィリン濃度推移のモデル解析 / p26 (0025.jp2)
  14. 2.3.テオフィリン徐放製剤の食後服用後の血中テオフィリン濃度推移のモデル解析 / p31 (0027.jp2)
  15. 2.4.まとめ / p37 (0030.jp2)
  16. 第3章 メソトレキセートの大量療法時の体内動態 / p39 (0031.jp2)
  17. 3.1.メソトレキセートの血中濃度測定と血中濃度解析 / p40 (0032.jp2)
  18. 3.2.メソトレキセートの尿中濃度測定と尿中排泄速度解析 / p46 (0035.jp2)
  19. 3.3.血中濃度と尿中排泄速度の相関 / p48 (0036.jp2)
  20. 3.4.血中濃度と尿中排泄速度の同時解析の有用性 / p49 (0036.jp2)
  21. 3.5.尿からの7-ヒドロキシーメソトレキセートの分離,精製 / p53 (0038.jp2)
  22. 3.6.メソトレキセートと7-ヒドロキシーメソトレキセートの血中濃度解析 / p53 (0038.jp2)
  23. 3.7.7-ヒドロキシーメソトレキセート/メソトレキセート(7-OH-MTX/MTX)の血中濃度比の推移 / p58 (0041.jp2)
  24. 3.8.まとめ / p59 (0041.jp2)
  25. 第4章 単回および持続投与時のサイアミラールの体内動態 / p61 (0042.jp2)
  26. 4.1.血中サイアミラール濃度測定と血中濃度解析 / p62 (0043.jp2)
  27. 4.2 ラットのサイアミラール単回静脈内投与試験における胆汁中排泄 / p67 (0045.jp2)
  28. 4.3.蓄積モデルによるサイアミラール持続投与時における血中濃度解析 / p68 (0046.jp2)
  29. 4.4.血中サイアミラール濃度と脳波の関係 / p71 (0047.jp2)
  30. 4.5.まとめ / p73 (0048.jp2)
  31. 第5章 医療現場でのclinical pharmacokineticsの活用と臨床薬剤師の役割 / p75 (0049.jp2)
  32. 総括 / p78 (0051.jp2)
  33. 謝辞 / p81 (0052.jp2)
  34. 実験の部 / p82 (0053.jp2)
  35. 引用文献 / p88 (0056.jp2)
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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000096808
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000953128
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000261122
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
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