新型家蚕濃核病ウイルス(BmDNV-2)の増殖機構に関する研究

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著者

    • 早川, 徹 ハヤカワ, トオル

書誌事項

タイトル

新型家蚕濃核病ウイルス(BmDNV-2)の増殖機構に関する研究

著者名

早川, 徹

著者別名

ハヤカワ, トオル

学位授与大学

北海道大学

取得学位

博士 (農学)

学位授与番号

甲第3889号

学位授与年月日

1996-03-25

注記・抄録

博士論文

家蚕濃核病ウイルス(山梨株 : BmDNV-2)は、ゲノムとして線状1本鎖DNA(VD1, VD2)を含む小型球状ウイルスであるが、その遺伝子構造について不明な点が多く、また増殖機構については全く判っていない。本研究ではBmDNV-2の増殖機構を解明する目的で、まずDNA複製機構についての解析を行った。また同時にウイルスの増殖機構を解明する目的で、ウイルスゲノムDNAの一次構造解析、またゲノム上にコードされているウイルスタンパク質の機能解析を行った。これらの研究の結果、本ウイルスは今までに報告されている他の線状1本鎖DNAウイルス(パルボウイルス)とは全く異なった遺伝子構造を持つ新しいタイプのウイルスであることが判明した。まず、DNA複製機構の解析については、BmDNV-2感染中腸細胞内において、末端に閉環状構造を持つ様な複製中間体(RIDNA)は検出されず、本ウイルスがBmDNV-1など他のパルボウイルスとは異なるDNA複製機構を有する事が示唆された。また、ウイルスゲノムDNAの一次構造解析により、本ウイルスの2種のウイルスゲノム(VD1:Nakagaki et.al., 未発表;VD2:本論文)の一次構造は決定され、ゲノムDNA上に存在するORFの大きさや位置、そしてウイルス遺伝子の発現制御に関わると考えられる配列などが明らかになった。ウイルスゲノムDNAの塩基配列を基に、ウイルスタンパク質の機能解析を行った結果、ウイルスDNAに存在する6つのORFに対応するウイルスタンパク質の内、VD10RF2には主要構成タンパク質がコードされていた。またVD10RF3とVDIORF4にコードされているウイルスタンパク質(p37,p14)は共に主要構成タンパク質遺伝子のプロモーターをアクティベートし、VD20RF2にコードされているウイルスタンパク質(p27)はウイルスのゲノム上に存在する全てのプロモーターをアクティベートすることが示された。VD10RF1とVD20RF1にコードされているウイルスタンパク質の機能については現在不明であり、今後さらに解析を進める必要がある。以上、本研究により、家蚕濃核病ウイルス(山梨株:BmDNV-2)は動物・植物ウイルスを通してこれまでに報告のない新しいタイプのウイルスであることが明らかとなった。また、ウイルスにコードされる1つの制御タンパク質(p27)がウイルス遺伝子発現の鍵となるタンパク質である可能性が示され、本ウイルスの宿主、および組織特異性を決定している分子機構を理解する上で極めて重要な知見を与えた。

75p.

Hokkaido University(北海道大学). 博士(農学)

目次

  1. 第I章 緒論 / p1 (0006.jp2)
  2. 第II章 研究史 / p4 (0009.jp2)
  3. 第III章 家蚕の新型濃核病ウイルス(BmDNV-2)の複製機構 / p7 (0012.jp2)
  4. 目的 / p7 (0012.jp2)
  5. 材料と方法 / p8 (0013.jp2)
  6. 結果 / p12 (0017.jp2)
  7. 考察 / p16 (0021.jp2)
  8. 第IV章 BmDNV-2のゲノム構造解析 / p19 (0024.jp2)
  9. 目的 / p19 (0024.jp2)
  10. 材料と方法 / p19 (0024.jp2)
  11. 結果 / p20 (0025.jp2)
  12. 考察 / p28 (0033.jp2)
  13. 第V章 ウイルスタンパク質のコード領域の同定と機能解析 / p31 (0036.jp2)
  14. 目的 / p31 (0036.jp2)
  15. 材料と方法 / p31 (0036.jp2)
  16. 結果 / p41 (0046.jp2)
  17. 考察 / p51 (0056.jp2)
  18. 第VI章 総合考察 / p60 (0065.jp2)
  19. 第VII章 要約 / p64 (0069.jp2)
  20. 第VIII章 英文要約 / p66 (0071.jp2)
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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000132891
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000967480
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000297205
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
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