内耳蓋膜微細構造の原子間力顕微鏡による観察 Ultrastrucures of the Tectorial Membrane in the Inner Ear : An Atomic Force Microscopic Examination

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著者

    • 檜山, 繁樹 ヒヤマ, シゲキ

書誌事項

タイトル

内耳蓋膜微細構造の原子間力顕微鏡による観察

タイトル別名

Ultrastrucures of the Tectorial Membrane in the Inner Ear : An Atomic Force Microscopic Examination

著者名

檜山, 繁樹

著者別名

ヒヤマ, シゲキ

学位授与大学

北海道大学

取得学位

博士(医学)

学位授与番号

甲第4686号

学位授与年月日

1999-03-25

注記・抄録

博士論文

蓋膜は,蝸牛コルチ器の上を覆う膜様の細胞外組織であり,コルチ器有毛細胞の感覚毛が屈曲し,それを契機として有毛細胞が脱分極する過程で,重要な役割を担っている.蓋膜下面には,外有毛細胞の上部に位置する膜様組織に,感覚毛による圧痕がある.このことは,外有毛細胞感覚毛と蓋膜下面が常に結合していることを証明する.蝸牛の周波数選択性は,回転による解剖学的な差から生じると考えられている.しかしながら,蓋膜と外有毛細胞感覚毛の結合にもその差があるのかは不明である.また,蓋膜を構成する主要な線維であるタイプA線維の本態は生化学的研究から主に,2型コラーゲンとされているが,超微形態的にはいまだその詳細は明らかでない.原子間力顕微鏡(atomic force microscope,AFM)はカンチレバーで試料表面を走査することでその表面構造を画像化する新しい顕微鏡である.電子顕微鏡では電子染色や金属蒸着で修飾された試料を観察するが,AFMは試料の導電性を必要としないので,試料表面を直接に画像化することができる.三次元的解像度が高いこと,立体計測が可能であることも特徴である.本研究は,AFMを用いて,圧痕の三次元的超微構造を検討し,蓋膜と外有毛細胞感覚毛の機能的結合様式を明らかにし,さらに,タイプA線維の本態を超微形態学的に証明することを目的とした.AFMでは,試料はなるべく固く,平らで,なおかつ,基板に固着している必要がある.化学固定した蝸牛から蓋膜を単離し,化学処理した硝子に液中で貼り付け,臨界点乾燥した.これにより,蓋膜は,固さを増し,さらに,微細構造が保存された状態で基板と強固に接着し,AFMでの観察が可能となった.蓋膜下面の圧痕は,粒子像から構成されていて,これらの粒子像は外有毛細胞と蓋膜の結合に強く関与する糖関連物質の配列や形態の特徴を示していると考えられた.圧痕の立体的構造はクレーター様の構造を示し,さらにそれを構成する粒子像が密に存在していた.このことは,外有毛細胞と蓋膜の結合を強める機能的構築を持つことを示唆する.圧痕の深さは蝸牛の回転による差を示さず,一方,幅は差を示した.このことは,外有毛細胞感覚毛と蓋膜の関係が部位により異なっていることを示す.したがって,この結合は,蝸牛の部位によって異なる周波数選択性に関与していることを示唆する.葦膜タイプA線維の表面構造は60から70nmの周期的な凹凸を示した.このことは形態学的にタイプA線維がコラーゲン線維であることを証明する.さらに,タイプA線維の表面構造が,周期的な明るい縞と暗い縞,そのなかに認める細かい縞からなることは,線維内のコラーゲン分子密度の差が表面構造に現れていることを示唆する.

47p.

Hokkaido University(北海道大学). 博士(医学)

目次

  1. 目次 / p3 (0005.jp2)
  2. まえがき / p1 (0004.jp2)
  3. 要約 / p5 (0006.jp2)
  4. 緒言 / p7 (0007.jp2)
  5. I.測定条件の設定および試料作成方法の開発 / p10 (0009.jp2)
  6. 1.背景 / p10 (0009.jp2)
  7. 2.測定モードの選択 / p12 (0010.jp2)
  8. 3.走査速度の設定 / p14 (0011.jp2)
  9. 4.試料作成方法の開発 / p15 (0011.jp2)
  10. 5.小括 / p18 (0013.jp2)
  11. II.蓋膜の表面微細構造-とくに蓋膜下面の外有毛細胞による圧痕の微細構造について / p19 (0013.jp2)
  12. 1.背景 / p19 (0013.jp2)
  13. 2.材料と方法 / p22 (0015.jp2)
  14. 3.結果 / p24 (0016.jp2)
  15. 4.考察 / p29 (0018.jp2)
  16. III.蓋膜タイプA線維の微細構造 / p32 (0020.jp2)
  17. 1.背景 / p32 (0020.jp2)
  18. 2.材料と方法 / p34 (0021.jp2)
  19. 3.結果 / p35 (0021.jp2)
  20. 4.考察 / p39 (0023.jp2)
  21. 結論 / p42 (0025.jp2)
  22. 文献 / p43 (0025.jp2)
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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000172244
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000172519
  • DOI(NDL)
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 000000336558
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
    • NDLデジタルコレクション
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