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ハイビジョンと映画のメディアミックスに関する研究 A study on Media Mix development of HDTV and Movie

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著者

    • 石田, 武久 イシダ, タケヒサ

書誌事項

タイトル

ハイビジョンと映画のメディアミックスに関する研究

タイトル別名

A study on Media Mix development of HDTV and Movie

著者名

石田, 武久

著者別名

イシダ, タケヒサ

学位授与大学

電気通信大学

取得学位

博士 (学術)

学位授与番号

甲第630号

学位授与年月日

2011-03-24

注記・抄録

博士論文

2010

This paper outlines research relating to the development of video mediawhich has achieved great success synergizing HDTV and Movie (we call“media mix development” that kind of development synergizing more thantwo media), which are two types of media that originally had differingbackgrounds and characteristics. Mixing both media types has achievedcontent production results such as new production techniques,nonconventional and innovative visual imagery, and revised workflows. Inaddition, mixing both media types has technically revolutionized contentdelivery and projection methods, causing a large impact on screening andperformance aspects in the Movie industry. Based on a large number ofpractical case studies, this paper specifically examines and discussesvarious “content production” and “content delivery” problems thatarose and effects that were achieved when HDTV and Movie media mixing wascarried out.In order to discuss these issues, this paper first studies the type of relationshipbetween HDTV and Movie prior to the media mix of both media types started. Then, thediverse kinds of equipment needed to media mix of both media are examined, lookingat, for example, how HDTV and film converters have been developed. A wide varietyof technical problems that arise in the media mix process are also examined, suchas the varying aspect ratio and differing number of images per second between HDTVand film. In addition, other issues that will be examined and discussed, drawing ona large number of practical case studies, include a look at how the wide variety oftechnology and knowledge developed and accumulated through the media mix of HDTV andMovie have influenced and been put to use in the expansion of video media driven bythe rapid advancement of digitalization. Lastly, this paper will discuss and lookto the future of video media development.映画とテレビは、動画を視聴するという点では非常に近いメディアだが、両者の情報量は大きく違い、物理特性や視聴形態が異なっており、互いに影響しつつも相互交流することは少なく、別々のメディアとして成長してきた。しかし1980年代初頭、次世代テレビとして、映画に匹敵する情報量を持ち、ワイド・大画面向きという特徴を持つハイビジョン( 当初高品位テレビとも呼ばれた) が開発され、ハイビジョンと映画を双方向交流させることにより、コンテンツ制作および流通の両面において、従来とは違う新たな映像メディアの展開をするようになってきた。「メディア」に関する従来の理解には、1960 年代のマクルーハンらの「個々のメディアが特性によって区別される」ことを重視する立場と、近年の「メディアの区別が薄れ全体として交じり合っている」ことを重視する立場がある。本研究では、この二つの間の移行形態として「個々のメディアがそれぞれの特性を保持しながら、相互に歩み寄り相互変換や相互交流をおこなう状態」を「メディアミックス」の用語でとらえ、その具体的な事例として、1980 年代から90 年代におこなわれたハイビジョンと映画の双方向的交流を考察し、その技術史的・表現史的意味づけを明らかにしている。本論文では、ハイビジョンと映画という元来素性も特性も違う二つのメディアをミックスするために行われた様々な技術開発や課題の解決策について、そしてその成果として行われたコンテンツ制作と配信の両面においてなされた技法やノウハウの開発について、当時行われた多くの実践を通して具体的に検証し論じている。そしてそれらが、その後今日から近未来に至る映像メディアの展開に与えた影響や効果についても考察し、展望している。まず、標準テレビ時代における映画とテレビの関係について当時のメディア状況を技術史的に明らかにしている。そしてハイビジョンが開発されて以降の両メディア関係については同じ動画像を扱い情報量が近いとは言え、化学メディアである映画と電子メディアのハイビジョンは、画像を形成する仕組みが異なっており、毎秒コマ数やアスペクト比、色再現性や階調再現性、鮮鋭度やノイズなどの画調も違っており、両者をメディアミックスするためのF⇔V 変換系、両者のトーンを合わせるための映像調整系、そして両者をメディアミックスすることで相乗効果を発揮させる映像加工・合成系などハード系の開発について詳細に述べている。さらに両メディアを相互交流する上で問題となる技術的要件を調べ、上述のハード系をたくみに使いこなすための技法、ノウハウについても論じている。その次に、これらのハードウエアおよびノウハウの開発の蓄積をベースに、1980年代から1990 年代半ば頃まで行われた数多くのコンテンツ制作において、どのような問題に遭遇し如何に課題を克服し、新たな制作技法を編み出し、どのような斬新的な映像表現を創り出してきたのか、10 数本の作品を選び具体的に検証している。それらの中の代表的ポイントとして、映画におけるオプティカル法では困難だったが、電子メディアのハイビジョンがその威力を存分に発揮することができた制作技法、すなわちリアルタイムに高精度に高画質で行うことができる映像合成・加工処理法について、実践例にもとづき問題点と成果を明らかにした。それらの技法を使うことでなされた映像表現力の向上、ワークフローに与えた影響、さらに効率性向上への寄与などについて具体例に基づき明らかにしている。そしてその次に、このようなメディアミックスにより制作されたコンテンツを電子的方法、チャンネルにより配給、配信する側面について、当時行われた数々の実践例を詳細に検証し、問題点と共に得られた成果を明らかにした。あわせて、当時全国各地に構築されたハイビジョンシアターや映像多目的ホール、ハイビジョンギャラリーの技術動向や課題について明らかにし、さらにそれらがトータル的に当時の映像産業的側面に与えた影響について論じている。そして、ここまで論じてきたメディアミックスの問題点や成果が、1990 年代半ば頃から急速に進んだデジタル化にどのような影響を与え、どのように成長を遂げ、2000 年代半ば頃から急展開し始めたデジタルシネマにどう繋がっているかについて明らかにした。その上で、決してとどまることなく成長を続ける映像メディアがこれからどのような展開をして行くのかについて展望を加えている。「ハイビジョンと映画のメディアミックス」に関して、技術史・映像表現史、さらに映像産業的な視点から総合的に考察し意味づけした研究は他に類がなく、独自性は高い。その論述、考察のベースは、NHK 技術研究所においてハイビジョンシステムの研究開発や機器開発を担当し、放送技術局などにおいて多くのコンテンツ制作の実践や配信・上映に関する研究調査に携わってきた筆者の経験、知見に基づいている。それらを通して得られた研究成果は、国際会議やテレビジョン学会、映画テレビ技術協会などの場において報告・公開され映像メディアの進展に貢献した。本論文執筆は自身の研究現場や制作現場における長期にわたる広範な研究活動を通して蓄積した知見をベースに、膨大な文献や資料、関係者から入手した情報を綿密に調査、検証し書いている。それらは網羅性、普遍性があり資料的な価値を持っており、本研究の成果物で意義のひとつである。

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000547458
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000549550
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 023263088
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
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