2-ヒドロキシブチル-β-シクロデキストリンの新規製剤素材としての有用性評価と固体物性制御用素材への応用 Pharmaceutical evaluation of 2-hydroxybutyl-β-cyclodextrin and its application to control of polymorphic transition
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著者
書誌事項
- タイトル
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2-ヒドロキシブチル-β-シクロデキストリンの新規製剤素材としての有用性評価と固体物性制御用素材への応用
- タイトル別名
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Pharmaceutical evaluation of 2-hydroxybutyl-β-cyclodextrin and its application to control of polymorphic transition
- 著者名
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石黒, 貴子
- 著者別名
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イシグロ, タカコ
- 学位授与大学
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熊本大学
- 取得学位
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博士 (薬学)
- 学位授与番号
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甲第219号
- 学位授与年月日
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2011-09-22
注記・抄録
博士論文
本研究ではHB-β-CyDの新規製剤素材としての有用性を明らかにするため、各種物性、安全性、可溶化能、包接能をβ-CyDおよびHp-β-CyDと比較した。第1章では、HB-β-CyDの表面張力、吸湿特性、溶血活性、各種難水溶性薬物に対する可溶化能を検討した。クロルプロパミド(CPM)は、第1世代のスルフォニル尿素系糖尿病治療薬であり数種類の結晶多形が知られている。CPMは多形間で溶解性が異なり、また消化管液に対する溶解性も低いことから、その錠剤は第16改正日本薬局方(JPXVI)の一般試験法における溶出試験の適用対象となっている。これまでに、CPMは打錠時の圧力や温度により多形転移することが報告されているため、第2章ではHB-β-CyDの固体物性制御用素材としての応用を試み、水溶液からのCPMの結晶化に及ぼす各種CyDの影響を検討した。その結果、HB-β-CyDは高濃度で準安定形FormIIを、低濃度でFormIIIを選択的に析出させること明らかにした。HB-β-CyD添加による準安定形CPMの選択的析出は、ホスト-ゲスト相互作用を介して進行するものと推定されたため、さらに水溶液中におけるCPMとHB-β-CyDの分子間相互作用を溶解度法、核磁気共鳴(NMR)スペクトル法を用いて検討した。