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運動の強調・抑制を可能とするインタフェース実現に向けた視知覚特性の研究 The study of motion visual perception characteristics to enhance or suppress motion in visual interface

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著者

    • 永谷, 直久 ナガヤ, ナオヒサ

書誌事項

タイトル

運動の強調・抑制を可能とするインタフェース実現に向けた視知覚特性の研究

タイトル別名

The study of motion visual perception characteristics to enhance or suppress motion in visual interface

著者名

永谷, 直久

著者別名

ナガヤ, ナオヒサ

学位授与大学

電気通信大学

取得学位

博士 (工学)

学位授与番号

甲第670号

学位授与年月日

2012-03-23

注記・抄録

博士論文

本論文では視覚における運動の知覚に注目し,運動の視知覚に対して変化を与えるインタフェース設計のための知見を獲得することを目標として,視覚刺激の周期的な遮断によるモーションブラーの制御,前庭感覚電気刺激により引き起こされる視野運動,背景画像の運動を誘導刺激とした対象の運動対比,という3つの手法を用いて運動の知覚を変容させることで得られる視知覚特性を調べた.ヒトの視知覚の中でも運動の知覚は狩猟や外敵の発見など生存と密接に結びついており,重要な視覚機能であったと考えられる.運動の知覚といっても,外部環境に対して自己の位置や自己の運動に関する自己身体運動の知覚と,外部環境全体または外部環境に存在する対象の運動の知覚の2つの運動の知覚がある.本論文では,環境または対象の運動の知覚を主に取り扱う.環境の運動の知覚は外界の変化に対応するための機能であり,変化に対して適切に反応をするための情報を得る機能であると考えることができる.運動の知覚に変化を与えるということは,外界の動きの変化を実際の変化とは異なって知覚させるということになる.その実際の変化とは異なった運動の知覚は,実際の動き成分を強調または動きを引き起こすことで大きくするという手法と,実際の動きの成分を抑制または動きを小さくすることで小さくするという2つの実現手法があると考えられる.本論文では,工学的に強調と抑制という2つの側面から運動の知覚に変化を与える手法を実装し,知覚特性の変化を調べることを目的とする.特に,本論文では実際の動き成分を増大または運動を引き起こすことを「運動の強調」,逆に動きを小さくすることを「運動の抑制」と定義し, 3つの手法を用いて運動知覚に変化を与えて,そこから得られる知覚特性を検証した.まず,運動の抑制の研究として,液晶シャッタを用いて外界の情報を周期的に遮蔽し,視覚情報の時間成分に対して影響を与えるStop Motion Goggleによる動き成分の抑制手法に関して述べた.動き成分の減少に関する知覚特性を検証するため,液晶シャッタを用いて外界からの視覚刺激を周期的に遮蔽し,観察対象の運動により生じるモーションブラーの量を制御することで,運動する対象の視認性がどのように変化するかを検証した.実験結果から,肉眼では観察できない運動対象の視認性が,液晶の開放時間の減少(4.0ms~0.6ms)に伴い大きく向上することを明らかにした.これより,運動知覚の手掛かりの一つであるモーションブラーの量を,シャッタの開放時間の減少により抑制することで,運動対象の視認性が向上することを示した.次に,運動の強調の研究として,視野運動が眼球運動によって引き起こせることを示すため,前庭感覚電気刺激(Galvanic Vestibular Stimulation)により引き起こされる前庭動眼反射を用いることで,静止している外界が回旋運動して知覚されることを示した.また,ここで知覚される視野運動の,刺激周波数および刺激電流値に対する回旋角度,刺激から運動が生起されるまでの位相遅れに関する知覚特性を明らかにした.これにより,本来は静止しているはずの環境が,前庭感覚電気刺激による眼球運動によって,刺激電流値や刺激周波数に依存した回旋運動をしているように知覚されるという,運動知覚の強調が起こっていることを示した.最後に,実環境を運動する対象とその背景の画像が運動することで得られる相対運動の制御により運動対比を生じさせ,対象の移動速度が実際よりも上昇または低下する条件を検証し,その速度の知覚特性を明らかにした.その結果,対象の運動方向と同方向に背景を動かした場合は知覚される速度が低下し,逆方向に背景を動かした場合は上昇することを明らかにした.つまり,背景の運動の制御により,対象の速度が実際の速度よりも遅くまたは速く知覚されるようになったということであり,運動知覚の抑制と強調がそれぞれ引き起こされていることを示した.全体の考察として,これら3つの手法による運動知覚への影響が,どのようなメカニズムによってもたらされるのかを議論した.また,それぞれの手法から得られる運動知覚への効果を,どのような場面で用いることができるのか,その応用例と制約条件を明らかにし,新しい視覚インタフェース設計のための知見を示した.以上の知見から,運動知覚の強調・抑制という変化を与えることが工学的に実装可能であることを示し,その特性を明らかにした.

2011

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各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    500000560208
  • NII著者ID(NRID)
    • 8000000562415
  • 本文言語コード
    • jpn
  • NDL書誌ID
    • 023851808
  • データ提供元
    • 機関リポジトリ
    • NDL-OPAC
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