診断に難渋した膝窩静脈静脈性血管瘤（popliteal venous aneurysm）の一例

• 畠中 正孝

  戸田中央総合病院心臓血管外科

• 松田 高明

  戸田中央総合病院心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名

• Popliteal Venous Aneurysm: A Case of Completely Thrombosed Popliteal Venous Aneurysm

抄録

膝窩静脈静脈性血管瘤は稀な疾患だが，今回われわれは，完全に血栓閉塞していたために軟部組織腫瘍との鑑別が困難であった膝窩静脈静脈性血管瘤の症例を経験した．症例は73歳，男性．肺塞栓症による入院の2カ月後，左膝窩部の痛みおよび左下腿の浮腫のため入院．左膝窩部に，弾性があり圧迫により消失しない径8cm大の腫瘤を認めた．超音波検査，MRI等施行し，腫瘤は血管病変ではなく，Baker’s cystが膝窩静脈を圧迫閉塞，静脈血栓症を来し，その結果肺塞栓を生じたものと判断した．外科的切除したところ，腫瘤は内部が血栓で満たされた静脈性血管瘤と判明，流入・流出静脈は完全に閉塞していた．静脈性血管瘤の血流が保たれている場合，静脈造影や超音波検査により診断は比較的容易であるが，完全閉塞例では他の腫瘤病変との鑑別診断には慎重を要すると思われた．

収録刊行物

• 静脈学

  静脈学 13 (1), 61-65, 2002

  日本静脈学会

キーワード

• 膝窩静脈
• 静脈性血管瘤
• 肺塞栓症

詳細情報

• CRID: 1390573870503802368
• NII論文ID: 50000692838
• DOI: 10.7134/phlebol.61
• ISSN: 21865523
• ISSN: 09157395
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/phlebol/13/1/13_61/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2003123748
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可