薬理学のQOLへの貢献  2  細胞増殖・分化・死を制御するイオンメカニズムと創薬

  • 森 泰生
    岡崎国立共同研究機構 統合バイオサイエンスセンター 細胞生理
  • 稲垣 千代子
    関西医科大学 薬理
  • 久野 みゆき
    大阪市立大学大学院 医学研究科 分子細胞生理学
  • 井上 隆司
    九州大学大学院 医学研究院 細胞情報薬理
  • 岡田 泰伸
    岡崎国立共同研究機構生理学研究所 機能協関部門
  • 今泉 祐治
    名古屋市立大学大学院 薬学研究科 細胞分子薬効解析学

書誌事項

タイトル別名
  • Ionic mechanisms underlying the regulation of cell proliferation, differentiation and death.
  • 細胞増殖・分化・死を制御するイオンメカニズムと創薬
  • サイボウ ゾウショク ブンカ シ オ セイギョ スル イオンメカニズム ト ソウヤク

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抄録

イオンチャネル·トランスポーターの分子機能は神経·筋·腺細胞の興奮性を制御することだけでなく,非興奮性細胞を含むあらゆる細胞の増殖分化および細胞死のメカニズム制御にも深く関わっていることが明らかとなりつつあり,後者の制御機構における分子実体が近年,急速に明らかになってきた.本総説では細胞の増殖分化および細胞死に関連するイオン制御機構のトピックスを幾つか取り上げた.特に重要な分子実体である非選択性陽イオンチャネルとしてのTransient Receptor Potential(TRP)の機能に関する新知見を紹介した.さらにアルツハイマー病におけるβアミロイドタンパク毒性の発現に関わる中枢神経系でのClポンプ機能,破骨細胞におけるH+動態調節機構,容量感受性Clチャネルのアポトーシスにおける役割,免疫細胞増殖における幾種かのK+チャネルの役割などを解説し,これらのチャネル·トランスポーターと疾患との関連および創薬への展望をQOLの改善に関連させて論じた.<br>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 122 (3), 201-214, 2003

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (87)*注記

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