看護における業務委託

書誌事項

タイトル別名
  • Delegation in Nursing
  • ―西豪州におけるエスノメソドロジー―
  • ―Ethnomethodology in Western Australia

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抄録

<p>医療技術の発展は,人工呼吸器をはじめとする高度医療を必要とする人々が在宅で家族と共に療養生活を送ることを可能とし,生活の質向上に多大に貢献した.その一方で,家族にとって気管内吸引や経管栄養などの医療処置が負担になっているという問題も生じている.この問題は,看護師不足によってさらに深刻化し,看護師の労働環境の劣悪さを招き,サービス利用者側の不利益だけではなく,サービス提供者側の不利益にもなっている.我が国と同様に深刻な看護師不足に悩むオーストラリアでは,2004年に西オーストラリア州看護協会が看護師による看護師資格のない者への業務委託をする際の意思決定基準を採択し,実際に運用されるところとなった.そこで,本研究ではエスノメソドロジーから得られた同州の看護業務委託の現状に基づいて,わが国に適用した場合に起こりうる問題点とは何かを検討した.その結果,「委託できる業務に範囲を定めるかどうか」「看護師による患者ケア時間の減少について」「教育制度の整備」「受託拒否権」の4つが業務委託を日本で適用する際の課題と考えられた.</p>

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