木村病の1例―免疫組織化学的検討―

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  • [Kimura's disease--immunohistochemistry using monoclonal and polyclonal antibodies].

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抄録

耳垂に巨大腫瘤として発症し,病理組織学的に木村病と診断した症例について免疫組織化学的検討を中心に報告した.PAP法では,IgEは濾胞胚中心内に明瞭な網状分布として陽性を示し,また,胚中心外に散在する比較的大型細胞の膜表面にも顆粒状の陽性を示した.後者の細胞は,IgEとギムザ重複染色で肥満細胞と同定された.ABC法では,H107(低親和性の抗IgEFcレセプター抗体)及びDAKO-DRC1(抗樹枝状細胞網細胞抗体)を用いた免疫染色で,両者ともリンパ濾胞胚中心の明調部に一致して網状強陽性を示した.以上より,本症例の病変内ではリンパ濾胞胚中心内にIgEの網状分布とIgEFcレセプターを有する樹枝状細網細胞とB細胞が増加していること,及びリンパ濾胞間にIgE陽性の肥満細胞が多数浸潤していることが確認され,IgEクラス特異的免疫反応が木村病の病態と深く関わっていることが推察された.

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