オウム病36例の臨床的検討

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  • Clinical Features of 36 Cases of Psittacosis

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抄録

1981年から1988年の8年間にオウム病36例を経験した.その臨床的特徴は下記のごとくであった.<BR>1) 性別では男性16例, 女性20例で, 年齢は29歳から76歳, 平均45.7歳であった.<BR>2) 感染源としてのトリはインコ類が65.2%をしめていた.<BR>3) 臨床症状は発熱 (94.1%), 咳漱 (94.4%) が主症状であった.<BR>4) 胸部X線では異常影は右下肺野 (45.2%) に最も多く, 多くはスリガラス影 (70.6%) を呈していた.<BR>5) 検査成績では末梢白血球数正常, 血沈亢進, CRP陽性が91.7%であり, GOT, GPTは約40%に上昇した.<BR>6) MINO, EMおよびDOXYの投与により解熱まで2~3日, 胸部X線異常陰影消失まで約2週間要したが, 全例治癒した.<BR>本症の早期診断にはトリとの接触歴や臨床的特徴を把握する必要があろう.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 64 (4), 498-503, 1990

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (6)*注記

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