天疱瘡の治療と予後に関する1考察 血漿交換療法を中心に

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  • [A study on the therapy and prognosis of pemphigus vulgaris].

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抄録

最近15年間に経験した尋常性天疱瘡症例の内,経過を充分に観察し得た32例につき,その治療法と予後との関係を中心に検討した.全ての症例を治療法によって4群に大別した.即ち①ステロイド単独使用群,②ステロイド+免疫抑制剤使用群,③血漿交換療法+ステロイドまたは血漿交換療法+ステロイド+免疫抑制剤使用群,④その他(金製剤,DDS等使用群)に大別し,各群についてその臨床経過を比較検討した.その結果,血漿交換療法を行なった群が皮疹の消失する率が高く,治療後の経過も最も良好であるという結論が得られた.血漿交換療法施行群は症状が高度でかつ抗体価が高く,ステロイドの使用できない合併症を持つ症例や免疫抑制剤に対する副作用を有する症例が多いだけに,今回の結果は血漿交換療法の天疱瘡治療における有効性を示すものとして非常に意義のあるものと考えられる.

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