新鮮臨床分離株に対するNew Quinolonesの抗菌活性

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  • ANTIBACTERIAL ACTIVITIES OF NEW QUINOLONES AGAINST FRESH CLINICAL ISOLATES

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抄録

1993年2月~1994年1月に, 当所において検出した臨床分離多数株に対するNew quinolones (NQ) の抗菌活性を知るために, 1993年12月現在で上市されている大部分のNQを用いた最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 以下の結果を得た。<BR>1. グラム陽性菌に対するNQ 8薬剤の抗菌活性には, 薬剤間に差が認められた。すなわち, そこにおけるMIC分布には人きな違いがあり, NQ耐性Staphylococcus spp. の割合にも差があった。これらのことから, 今後においてはNQ耐性グラム陽性菌の耐性機序に関する研究の強化と, グラム陽性菌に対するNQ薬剤間の抗菌力の違いを, 臨床の場でも検討することが大切である。<BR>2. グラム陰性菌に対するNQ8薬剤のMlc分布にも違いが認められたが, NQ耐性グラム陰性菌においてはMICがより高くなる薬剤と, ある段階の濃度を越えるMICは示さないもののNQ感性株に比較すると高い方のMIcを示す薬剤があるが, そこにおけるMlC値の耐性側へのシフトは8薬剤がほぼ平行していた。これにより, NQ耐性グラム陰性菌の大部分はNQ 8薬剤に共通の耐性株と考えられた。<BR>3. 供試株には新たなNQ耐性菌が認められた。Haemophilus influenzae及びNeisseria gonorrhoeaeがそれである。そこにおける割合は前者は1割弱であるが, 後者は2割程度である。<BR>4. 対照としてMICを測定したAmpicillin (ABPC), Cefaclor (CCL) の結果からは, Benzyl-penicillin (PCG)-insensitive Streptococcuspneumoniae (PISP) 又はPCG-resistant S. pneumoniae (PRSP), 及びCEPs耐性Escherichia coliの増加が示唆された。

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被引用文献 (12)*注記

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