A群β溶連菌が分離された皮膚細菌感染症の臨床的検討

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抄録

1989年から1992年の間に外来を受診した患者のうちA群β溶連菌(S. pyogenes)が分離された皮膚細菌感染症患者について臨床統計的に検討した.病変部からS. pyogenesが分離されたものは64人(男51人,女13人)だった.年齢は,15歳から35歳までの若干層に多く高齢者では少なかった.受診者数は夏,秋に多い傾向がみられた.培養は手,足から行った例が約6割だった.単独感染(21%)に比べ混合感染(79%)が多く同時分離菌は黄色ブドウ球菌,コアグラーゼ陰性ブドウ球菌が大半を占めていた.臨床的に湿疹,足白癬などの二次感染病巣から分離されることが多く手指,手掌,足底,足趾の病変部では膿疱,水疱が多発する例が多くみられた.薬剤感受性ではメチシリンを除いたペニシリン系,セフェム系抗生剤,ホスホマイシンでは耐性株はみられず,エリスロマイシン,ミノマイシンでも感受性は良好だった.

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