クラスI群薬無効の心房細動および心房粗動に対するベプリジルの有用性

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タイトル別名
  • <I>The clinical usefulness of oral bepridil in the treatment of atrial flutter and fibrillation refractory to class I antiarrhythmic drugs</I>

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抄録

クラスI群薬無効の心房細動 (AF) 78例・心房粗動 (AFL) 23例, 計101例 (平均年齢61歳, 男性78例) に対するベプリジルの効果, 心電図変化および副作用をretrospectiveに検討した.持続性AFでは37例中17例 (45.9%) で, ベプリジル開始平均2.4カ月後に洞調律に復し, そのうち16例で洞調律が維持された (平均観察期間8, 5カ月) .発作性AFでは38例中32例 (84.2%) で平均観察期間8.2カ月間, 洞調律が維持された, 持続性AFLでは7例全例でベプリジル開始平均2.1ヵ月後, 洞調律へ復帰し, その全例で平均観察期間22.6カ月間, 洞調律が維持された.発作性AFLでは, 15例中12例 (80%) で洞調律が維持された (平均観察期間17.1ヵ月) .また, 電気的除細・粗動で洞調律に復した持続性AF9例中6例 (67.6%) で洞調律が維持された (観察期間平均10.5カ月) .2度以上の房室プロックの出現はなく, P拍数は68.2±10.9から60.0±9.0/分 (p<0.01) へと低下, QT時間は0.38±0.03から0.42±0.05秒 (p<0.01) へと延長したが, QRS幅は不変であり, 心室頻拍など重篤な副作用はみられなかった.I群薬無効のAF・AFLに対するベプリジルの効果は良好で, 重篤な副作用もみられないことから, 難治性AF・AFLに対し有用であると考えられた.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 23 (1), 53-60, 2003

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (17)*注記

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