養豚生産者の経営に関する意識と優先順位の調査

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  • ヨウトン セイサンシャ ノ ケイエイ ニ カンスル イシキ ト ユウセン ジュンイ ノ チョウサ

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抄録

全国養豚経営者会議の会員を対象に、農場の状況と生産者の経営意識調査を実施し、次のような結果を得た。調査区分は一貫経営農場の母豚規模別に3グループ(200頭未満、200~999頭、1000頭以上)とした。調査協力農場は25県91戸で、そのうち88戸が一貫経営であり、平均母豚数は654頭で、母豚200頭未満規模が36戸、200~999頭規模が28戸、1000頭以上規模が24戸であった。従業員1人当たり飼養母豚数は母豚200頭未満の農場(44.3頭)では200頭~999頭(58.8頭)と1000頭以上(69.9頭)の農場より少なかった。(P<0.05)。しかし、母豚1頭当たり肉豚出荷頭数では農場規模による有意差がなかった。農場規模による生産者の経営における優先順位と優先スコア(優先順位を得点化したもの)を計算した。生産コスト・出荷豚販売条件・農場規模・母豚と肥育豚生産性の4つの中では、母豚1000頭以上の大規模農場では生産コストの低減が優先順位1位になった。一方、999頭以下の規模では1位が母豚・肥育豚の生産性であった。そして、生産コストを低減するための優先スコアは、どのグループでも飼料費の低減が最も高かった(P<0.05)。母豚の生産性を向上させるための優先スコアは、年間分娩回数・母豚1頭当たり離乳頭数・分娩率が授乳期間より高かった(P<0.05)。肥育豚の生産性を向上させるための優先スコアは、飼料要求率が事故率より高かった(P<0.05)。さらに、生産者が考える早急に改善しなければいけない点として複数回答されたものは、糞尿処理問題(23件:26.1%)、豚舎の新築・改築(21件:23.9%)、生産成績(8件:9.1%)、環境対策(8件:9.1%)、疾病対策(7件:8.0%)であった。

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