An outbreak of SRSV-gastroenteritis among schoolchildren and teachers in early summer

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  • 初夏に某小学校で発生した小型球形ウイルス(SRSV)による集団食中毒事例
  • 資料 初夏に某小学校で発生した小型球形ウイルス(SRSV)による集団食中毒事例
  • シリョウ ショカ ニ ボウ ショウガッコウ デ ハッセイ シタ コガタ キュウケイ ウイルス SRSV ニ ヨル シュウダン ショクチュウドク ジレイ

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目的 初夏,学校給食が原因で発生した SRSV 集団食中毒の事例についてその概要を紹介した。的確な初動調査と対応の重要性と,カキ非関連性 SRSV 食中毒の感染経路および調理従事者の給食喫食について検討した。<br/>方法 平成11年 6 月校医と教育委員会から,欠席者数が急増しているという情報提供があった。探知日から 1 週間前までの欠席状況,欠席者・早退者の状況把握,給食献立等の調査を行った。探知日夕方までに把握した概要が,嘔吐あるいは腹痛が初発症状で,1 日以上にわたる症状発現期間であったので,直ちにウイルス検査も併せて実施した。引続いて毎日健康調査を行い,健康状況の変化,喫食状況等を入力し児童・教職員のデータベースを整備した。<br/>結果 児童・教職員のどちらからも有症状者がみられ,児童の発症率は30.8%,教職員は14.7%であった。有症状者は 6 月 9 日 1 時から11日24時にかけて発生していた。児童の主な症状は,腹痛,嘔吐,発熱であった。児童13人中 6 人,調理従事者 6 人中 1 人の便から SRSV 遺伝子が検出された。遺伝子解析を行ったところ,すべて Genogroup II型に属する Hawaii type であった。症状の時間集積性,SRSV の潜伏時間,給食の実施状況および SRSV 遺伝子が検出された調理従事者が米飯給食時のみの臨時職員であったことから,本食中毒の原因食品は 6 月 8 日の給食と推定した。<br/>結論 SRSV の非流行期である夏季でも,集団の疫学的・臨床的概要を早くつかみ,原因微生物として SRSV も考慮し検査を実施することが必要である。今後,SRSV によるカキ非関連性食中毒の集団発生を予防する方策としては,調理従事者の十分な手洗いと非加熱食品の取扱い時の手袋着用を啓発することが重要である。本事例では,調理従事者の便からも SRSV 遺伝子が検出されたが,調理従事者が当該施設で調理された食品を喫食していたため原因究明に至らなかった。集団給食施設の調理従事者は当該施設で調理された食品を喫食しないことを厚生労働省・文部科学省併せて,御指導願いたい。

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