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口述筆記する文学 : 書くことの代行とジェンダー

田村美由紀著

名古屋大学出版会, 2023.8

Title Transcription

コウジュツ ヒッキ スル ブンガク : カク コト ノ ダイコウ ト ジェンダー

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Note

博士論文「近現代日本文学におけるディスアビリティとジェンダー : 身体・性・書くこと」 (総合研究大学院大学, 2020年提出) に全面的な加筆修正を施したもの

初出一覧: p303-304

Description and Table of Contents

Description

代わりに書くのは何者か。谷崎潤一郎をはじめ、口述筆記を行った作家は実は多い。だが、ディスアビリティやケアが絡み合う空間で、筆記者、特に女性の役割は不可視化されてきた。大江健三郎、多和田葉子、桐野夏生らの作品をも取り上げ、書くことの代行に伴う葛藤とジェンダー・ポリティクスを鋭く分析した力作。

Table of Contents

  • 序章 口述筆記する文学
  • 第1部 ディスアビリティをめぐる交渉―口述筆記創作の現場から(1)(ペンを持てない男性作家―谷崎潤一郎の場合;「書く機械」になること―伊吹和子『われよりほかに』)
  • 第2部 書くことの協働性とケア―口述筆記創作の現場から(2)(ケアとしての口述筆記―筆記者たちの経験から考える;“書かせる”でもなく、“書かされる”でもなく―武田泰淳『目まいのする散歩』)
  • 第3部 言葉を媒介することとジェンダー―テクストのなかの口述筆記(“媒体”となる身体―円地文子「二世の縁 拾遺」;再演される言葉―大江健三郎『みずから我が涙をぬぐいたまう日』『水死』)
  • 第4部 代行のポリティクス―口述筆記の向こうへ(創造性から逃れる―多和田葉子「無精卵」;書きかえられる物語―二つの「残虐記」をめぐって)
  • 終章 ペンを持たない時代の口述筆記

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