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検索結果 245 件

  • ショーペンハウアーと唯識が語る解脱と無

    近藤, 伸介 佛教大学総合研究所紀要 31 15-30, 2024-03-25

    ...ショーペンハウアー哲学と大乗仏教の唯心論哲学である唯識は,ともに現象世界の一切を表象として説明する徹底した唯心論であり,また表象としての現象世界を生じさせる存在基盤として,それぞれ意志とアーラヤ識を説いており,この両概念にも多くの共通点が見られる。そして,両哲学はともに,心の究極の到達点として解脱を説き,また解脱に密接に関わるものとして無を説いている。...

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  • 凡夫の業をめぐるガワンタシの見解

    矢ノ下 智也 印度學佛教學研究 71 (3), 1104-1107, 2023-03-25

    ...</p><p> 『縁起大論』(<i>rTen ’brel chen mo</i>)の問答を分析することで,ガワンタシが業を「輪廻の原因となるもの」と「解脱や一切智へと導くもの」という二つに分類していることが明らかとなった.彼の理解は「解脱や一切智を獲得するためにはどのように修行をすべきか」という大乗仏教における救済論的な問いに対する一つの答えである.</p>...

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  • 初期仏教における善巧方便の研究

    Le Huu Phuoc 印度學佛教學研究 71 (3), 988-991, 2023-03-25

    ...<p> 本稿は,初期仏教における善巧方便(<i>Upāya-Kauśalya</i>)について論じたものである.筆者は,善巧方便の意義と歴史性という二つの主要なカテゴリーに焦点を当てている.大乗仏教における善巧方便については,Michael Pye(マイケル・パイ)やJohn W....

    DOI Web Site Web Site 参考文献3件

  • 鈴木大拙の『大乗仏教概論』についての考察(中の三)

    横田 理博 哲學年報 82 1-35, 2023-03-14

    ...序 / 一 『大乗仏教概論』に込められた思想 / 二 アルトゥーア・ショーペンハウアーと鈴木大拙 (以上、第七十九輯に掲載) / 三 思想形成の諸源泉 三 思想形成の諸源泉 ((1)を第八十輯に掲載、(2)(3)(4)を第八十一輯に掲載、(5) を本誌に掲載) / 四 マックス・ウェーバーと鈴木大拙(『理想』第七〇七号に別稿「鈴木大拙とマックス・ヴェーバー」として掲載) / 五 その後の鈴木の思想展開...

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  • 日本建築における仏教の原理

    Aristimuño Ignacio 日本・スペイン・ラテンアメリカ学会誌 34 (0), 27-50, 2023

    <p>建築は、形を通してアイデアや経験を伝えることのできる美学を提供することをその基盤の一つとする。これらのアイデアは、抽象度が高いために必ずしも目に見えるわけではなく、暗黙の了解となっている。本研究は、寺院建築に暗示されている仏教の教義から原則を抽出することにより、伝統的な日本の空間に関するInoue (1985)とAntariksa (2000、2001、2002) …

    DOI Web Site 参考文献6件

  • 自殺事例のカテゴリーとその特徴および中国の大乗仏教経典における意味

    唐 秀連 印度學佛教學研究 70 (3), 1238-1243, 2022-03-25

    ...<p> 膨大な数の仏教の経典の中で,自殺をテーマにしたものは一つもない.さらに,仏典に記録されている自殺事例の特徴についても,包括的な検討はなされていない.本論文では,中国の大乗仏教の経典を調査対象とし,自殺の動機や原因を分類することで,大乗仏教の経典に記録されている自殺現象の全体的な特徴を明らかにした.大乗仏教の経典に登場する自殺事例は,大きく3つのカテゴリーに分けられる.すなわち,「宗教的自殺」...

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  • 鈴木大拙の『大乗仏教概論』についての考察(中の二)

    横田 理博 哲學年報 81 1-39, 2022-03-14

    ...序 / 一 『大乗仏教概論』に込められた思想 / 二 アルトゥーア・ショーペンハウアーと鈴木大拙(以上、第七十九輯に掲載) / 三 思想形成の諸源泉 (1)を第八十輯に掲載、(2)(3)(4)を本誌に掲載) / 四 マックス・ウェーバーと鈴木大拙 / 五 その後の鈴木の思想展開...

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  • 『安楽集』における二諦説と往生浄土の関係について

    王, 振賢 佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 50 11-28, 2022-03-01

    ...詳しく分析した結果、道綽は二諦説によって、往生浄土の、大乗仏教における地位を確立させた。ただし、二諦説は往生浄土の真実性と合理性を証明するために非常に重要な作用を発揮しているが、道綽の浄土教の根本原理ではない。道綽の本意は二諦分明によって末法の衆生が浄土の功徳のみを求めて、阿弥陀仏の願力によって往生できることを証明することを考えられる。...

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  • 牧口常三郎の創価教育に関する一考察 ―その世界観に注目して―

    長島, 明純, NAGASHIMA, Akisumi 教育学論集 (73) 275-294, 2021-03-31

    ...中村元(1988)は、「わが国における哲学思想に関する研究があまりに局地的ある いは文献学的であり、思想(―それは普遍的なものである―)そのものに迫ろうとす る気魄がややもすれば弱いように見受けられる」としている*2が、この研究において、 木全力夫が示している方法を参考にして、大乗仏教*3やプラトン(Plátōn)・ソクラ テス(Socrates)の思想、更には牧口常三郎の思想に近いと思われる人々の...

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  • 般舟三昧経「行品」 : 和訳と訳注

    吹田, 隆徳 佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 49 29-44, 2021-03-31

    ...この経典ならびに「行品」(第二章)を取り上げることについて、まず第一にその訳出年代(179年)の早さから、この経典は大乗仏教を知る上で最初期の資料となる。さらに和訳を試みる「行品」はこの経典の原初形態を示すとされている。このような最初期の経典の原形部分を研究することにより、この経典の思想的中心たる般舟三昧のみならず、大乗初期の様相までを垣間見ることができると考えている。...

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  • ショーペンハウアーと唯識 : 比較思想研究の可能性を探る

    近藤, 伸介 佛教大学総合研究所紀要 28 73-81, 2021-03-25

    ...本稿では,ショーペンハウアーが『意志と表象としての世界』で展開した思想を大乗仏教の唯心論哲学である唯識と比較する。ショーペンハウアーと仏教の比較研究はすでに多くなされているが,仏教の中でも特に彼の思想と類似性が高いと思われる唯識に特化した比較研究はなされていない。...

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  • 梵文法華経における梵語化検証の可能性――『ケルン・南條本』の異読を中心に――

    西 康友 印度學佛教學研究 69 (3), 1045-1053, 2021-03-25

    ...<p>梵文法華経(SP)は初期大乗仏教経典の古層とされ,この漢訳『妙法蓮華経』は東アジアにおいて多くの経典・思想・文化の形成・発展に大きな影響を与えてきた重要経典の一つである.この原典とされるSPは,仏教混淆梵語(BHS)の代表経典の一つであり,本文には中期インド・アーリヤ(MIA)語的表現が多く見られる.すべての現存SP写本は,中央アジア(CA)伝本とギルギット・ネパール(G-N)伝本の2つに大別...

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  • シンガポールにおける仏教の現況

    辻本 臣哉 印度學佛教學研究 69 (3), 1152-1155, 2021-03-25

    ...</p><p>下部構造は,中国文化に関係している.多くのシンガポールの仏教徒は,中国仏教の伝統を維持する中国系シンガポール人である.例えば,天福宮という中国系寺院では,媽祖という海の女神が本尊として,菩薩や関帝といっしょに祀られており,大乗仏教,儒教,道教が混在している.そして,中国系シンガポール人は,こうした寺院を通じて,中国人としてのアイデンティティを共有している.すなわち,寺院がコミュニティとしての...

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  • 鈴木大拙の『大乗仏教概論』についての考察(中の一)

    横田 理博 哲學年報 80 1-40, 2021-03-05

    ...序 / 一 『大乗仏教概論』に込められた思想 / 二 アルトゥーア・ショーペンハウアーと鈴木大拙(以上、前号に掲載) / 三 思想形成の諸源泉 (前半を本誌に掲載) / 四 マックス・ウェーバーと鈴木大拙 / 五 その後の鈴木の思想展開...

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  • ロンドル・ラマの大乗仏教

    原田, 覺 国士舘哲学 = Kokusikan tetsugaku 24 52-92, 2020-03-20

    source:原著 : ガクワンロサン Kloṅrdor bla ma Ṅag dbaṅ blo bzaṅ (1719~1794/1795)の著作『大乗の阿毘[達磨]の蔵から出現した[中[観]の類別の]名称の[異]門』底本 : 著者の全集である北京版 ta 帙(東大蔵外 No. 223)参照 : sDe dge 版

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  • 現代医学と仏教医学(その2) : 解題と補遺と余剰

    村岡, 潔 仏教学部論集 104 87-100, 2020-03-01

    ...また、大乗仏教の修道論からの具五縁などのライフスタイルの調整を通じた自己管理の重要性についても開陳した。最後の第IV節では、ターミナルケアも現代社会においては仏教医学の一部であり、特に、その際に不死性の感得が重要であることを指摘した。また、「貧困、病苦で苦しむ人々は文殊菩薩その方である」という代理苦思想は利他行の稀代な形態であるが、重要な仏教医学の一環となっていることを述べた。...

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  • 法然浄土思想における仏性の位相

    一ノ瀬, 和夫 佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 48 1-16, 2020-03-01

    ...法然が、大乗仏教に通底する概念である「仏性」を、どのように認識していたのかを検討することで、法然浄土思想の特色を明らかにすることを目的とする。具体的には、『逆修説法』を通してその口称念仏における名号と声の意味づけ、並びに念仏の修行としての位置づけを抽出し、そこから、法然が「仏性」を断念する方向にあったことを示す。...

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  • 親鸞と川

    池末 啓一 水利科学 63 (6), 93-102, 2020-02-01

    ...この二つの葬制は大乗仏教的には,布施の最高形態の「利他行」の実践に当たる。「利他行」が,古代(仏教伝来以後)・中世の日本人の河川観・葬制観を形成していたと考えられる。水葬・林葬は今日的な表現をすれば,生態学的循環と考えられる。さらに,わが国には別の河川観もある。それは「禊」,「祓い」と言われて罪や穢れを除き去るというものである。...

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  • 『大乗起信論』思想の展開

    金 永晃 智山学報 69 (0), 0035-0047, 2020

    ...その根本の対策として大乗仏教における「如来蔵思想」の中でも説かれている。その他、現代社会の中では子供が欲しいのに生まれないことに出来ない苦もある。これらも、筆者は人間の心の問題であるとして捉えている。それには、西欧研究者のよる第八識(阿頼耶識)として捉えている。...

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  • 日本人形成に及ぼした大乗仏教経典の人間形成的意義 : 法華経を中心として

    土井, 進 総合福祉研究 23 27-40, 2019-03-31

    ...仏教は本来,自ら悟る自利行と他の人に手を差し伸べる利他行が説かれたものである.そのため,人間形成についての深い叡智に満ちている.筆者は,利他行を実践する菩薩の姿,すなわち菩薩道こそが広い意味で,仏教の教えと人間形成を担う教育とを結ぶ象徴であると考えるものである.大乗淑徳学園の創立者,長谷川良信とその恩師,渡邊海旭は,共に大乗仏教研究の碩学であり,大乗仏教精神の実践者として高い評価を受け,かつ教育実践者...

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  • 梵文法華経における梵語化の検証――多数の同義語の用例研究――

    西 康友 印度學佛教學研究 67 (3), 1106-1111, 2019-03-25

    ...<p>梵文法華経(<i>Saddharmapuṇḍarīka</i>,SP)は初期大乗仏教経典のうちで最古の一つと見做されている.3つの漢訳経典が現存するが,このうち鳩摩羅什訳『妙法蓮華経』は東アジアにおいて,多くの経典・思想・文化の形成・発展に大きな影響を与えてきた重要経典の一つである.SPと漢訳法華経に関連する諸問題,とくに『妙法蓮華経』との諸問題解決や妥当な解釈等を得るためには,SPと漢訳法華経...

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  • 仏教論理学派の用いる錯誤知の喩例――その起源としての十喩――

    小林 久泰 印度學佛教學研究 67 (3), 1158-1163, 2019-03-25

    ...</p><p>大乗仏教において,空なるこの世界を夢などに例える傾向は般若経典に遡る.そして特に『大品系般若経』や『維摩経』などに見られる十種の喩え(十喩)は中国・日本の様々な文化に大きな影響を与えたものとして有名であると同時に,仏教論理学派にとっても重要な意味を持ってきた....

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  • 介護福祉士養成課程における本学の教育プログラムの構築

    長谷川, 美貴子, 藤澤, 雅子, Hasegawa, Mikiko, Fujisawa, Masako 淑徳大学短期大学部研究紀要 59 1-42, 2019-02-25

    ...本学は建学の精神「大乗仏教精神」に基づく「共生」の理念と「感恩奉仕」を基盤として、学生自らの人格形成および社会福祉の増進に寄与できる人間の育成を目指しており、その実現のために本学介護福祉コースにおいては、「相手の立場に立って考えることのできる人間」、「介護の対象者一人ひとりの心に寄り添える人間」の育成として、高い倫理観をもち、かつ豊かな人間性を育むことを重視している。...

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  • 北山淳友の「如来蔵」理解――「絶対的意識」との比較

    嶋田 毅寛 佛教文化学会紀要 2019 (28), L161-L174, 2019

    ...そして『仏教の形而上学』における重要概念の一つであり、大乗仏教における重要な思想でもある <如来蔵 >が北山によりヤスパースの重要概念の一つである<絶対的意識 >として捉えられていることが興味深い。しかし北山が『哲学』から直接着想を得たということはあり得ない、なぜなら北山がヤスパースに『仏教の形而上学』を提出したのがヤスパースの『哲学』刊行以前だからである。...

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  • パーリ上座部における三蔵観――結集と隠没・書写聖典・経巻崇拝――

    清水 俊史 印度學佛教學研究 66 (3), 1079-1084, 2018-03-25

    ...による聖典伝持を取り入れたと記録される.しかし,書写された三蔵聖典は正法そのものではなく,正法の有無は三蔵を憶持する人の有無によって判断される.書写聖典そのものが正法たり得ないという理解は有部も同様である.(3)経巻崇拝を上座部は否定的に評価した.この理由は,仏舎利と経巻を等価として理解し得なかった上座部教理が背景にあると考えられる.この経巻崇拝への態度は,崇拝の対象として仏舎利と経巻を等価に理解する大乗仏教...

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  • 宮沢賢治詩『序』の現代語解釈 ─ 大乗仏教の求道者としての生き方を重視した解釈 ─

    大久保 等 八戸学院大学短期大学部研究紀要 (45) 16-29, 2017-12-22

    ...宮沢賢治の詩『序』について、大乗仏教の求道者としての生き方を重視した、現代語解釈を試みた。『序』を要約すると、宮沢賢治は「生きている私という生命現象は、大きな生命の流れが輪廻を繰り返すこの世界の法則として、過去から仮定されていた現象である。その現世に、私は『心象スケッチ』という手法で書き記した詩を残して行く。...

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  • 現代医学と仏教医学

    村岡, 潔 佛教大学総合研究所紀要 24 27-38, 2017-03-25

    ...特に仏教医学の1)治病原理と病因論としての四諦,八正道,十二因縁(縁起)及び中道,2)生理学的基礎としての五蘊仮和合,四大説,3)「大智度論」と「摩訶止観」に観る「今世に原因がある疾病」と「業の病」の病因論的分類,4)業病に関連する仏教産科学の中有と三事和合,及び5)四弘誓願による治療法と大乗仏教の修道論(摩訶止観)によるライフスタイルの調整法について検討した。...

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  • 転重軽受の思想史 : 特に浄土教をめぐって

    小川, 法道 佛教大学大学院紀要. 文学研究科篇 45 17-33, 2017-03-01

    ...「転重軽受」の思想は、大乗仏教における業思想の中で特色的なものとして位置づけられ、本来ならば重く受けるはずの業報を軽減するはたらきがあることをいう。この「転重軽受」については従来、その思想史的背景などについてはあまり研究がなされていない。...

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  • 『釈摩訶衍論』における修行論

    中村 本然 智山学報 66 (0), _183-_214, 2017

    ...即ち「分別発趣道相門」中に大乗仏教を代表する六波羅蜜行を説示し、「修行信心分」にも五門(施門・戒門・忍門・定門・止観門)からなる修行論を展開する。<br>  『釈摩訶衍論』(以下、釈論と略す)の修行論解釈には、本論である『起信論』の事情に配慮する対応がみられる。...

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  • 初期唯識文献における他者の分別

    高橋 晃一 印度學佛教學研究 65 (3), 1236-1242, 2017

    ...<p>瑜伽行派は唯識思想を主張し,外界の認識対象の実在性を否定したことはよく知られている.当然のことながら,その外界の中には他の衆生の存在も含まれる.しかし,大乗仏教は衆生救済を標榜しているので,唯識という立場に立ち,他者の存在を自己の認識の所産と見なすことは,大乗の基本的な理念と抵触するように思われる....

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  • 『菩薩地』における修行階位について

    VO Thi Van Anh 印度學佛教學研究 65 (3), 1250-1255, 2017

    ...<p>大乗仏教の修行階位は,従来,基本的に『十地経』に説かれる十階位であると理解されている.しかし,初期瑜伽行派の修道階位は,特に『菩薩地』の段階ではそのように断言できない.その根拠は,同文献における修行階位に「住品」の階位と「地品」の階位の二種類があるからである....

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  • 『釈摩訶衍論』における「金剛喩定」について

    関 悠倫 智山学報 66 (0), _109-_128, 2017

    ...大乗仏教では『般若経』においてその片鱗が見出されるとされ(4) 、後に大乗の修行道論を体系化した大品系般若経に至って「智慧」と絡めながら大いに受容されていった(5) 。<br>  では釈論のを見ると、「方便」・「正体」二種の金剛喩定が説かれるが、それらが何の思想に依るものなのか明確に解説されていない。...

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  • 井筒俊彦の意識の形而上学についての省察

    下田 正弘 智山学報 65 (0), 051-060, 2016

    ...その結果、東洋思想、あるいはむしろ非西洋近代思想には「共時論的構造」があることを看取し、その代表的事例として大乗仏教思想を論じた。遺作となった『意識の形而上学』における『大乗起信論』理解には、言語を媒介としつつ意識と存在を照らし出す思想の構造がみごとに示されている。...

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  • 『声聞地』における慈愍観

    阿部 貴子 智山学報 65 (0), 0219-0234, 2016

    ...<br>  「慈しみ」は『経集<i>Suttanipāta</i>』の『慈経<i>Mettasutta</i>』に説かれ、部派仏教から大乗仏教そして密教に至るまで、最も重視されてきた教義の一つである。現代においても仏教者の心得や生きかたの指針として世界中から注目されている。<br>  では『声聞地』が慈しみの瞑想maitrī(以下、慈愍観)をどのように示しているだろうか。...

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  • 『大日経』における転法輪について

    山本 匠一郎 智山学報 65 (0), 0235-0248, 2016

    ...<br>  『大日経』自らが主張する自己の立場は一貫として大乗仏教である。諸大乗経論は有部・阿毘達磨の教説を前提として成立しているが、大乗であるかぎり、声聞・縁覚の批判、阿毘達磨教学との相克を前提としている。そしてもちろん、仏教内の諸思想のみならず、外教の学説も提示される。たとえば『大日経』「住心品」では、さまざまなアートマン学説や外道の見解が挙げられている。...

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  • 転法論としての不二摩訶衍法

    早川 道雄 智山学報 65 (0), 259-274, 2016

    ...それはおそらく真如門を軽視するということではなく、大乗仏教思想の粋である真如門をさらに凌ぐ真理である不二摩訶衍法の存在が想定されているからである。釈論にとって不二摩訶衍法は、それ以前の既成の真理概念を全て相対化する、新たな転法輪のごときものであったと筆者は推測する。そしてこの推測を前提とする時、釈論の幾つかの難解な記述の解釈が可能になると思われる。...

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  • 大円鏡智成立の背景の諸相

    河波 昌 智山学報 65 (0), 1-14, 2016

    ...<br>  大円鏡智を含めて四智等の成立は名義的ないし概念的にはインド大乗仏教史の展開においても比較的後期に成立した『仏地経』 Buddhabhūmisūtraにおいて初めて登場する。(玄奘訳『仏説仏地経』大正十六巻所収)。...

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  • 『華厳経』の宇宙論と東大寺大仏の意匠について

    外村 中 日本研究 = Nihon Kenkyū 51 21-40, 2015-03-31

    ...また、日本の華厳宗の大本山である東大寺の本尊であるから、大乗仏教の最も代表的な経典の一つである『華厳経』を当時の日本人が如何に理解していたかを考察する上でも、非常に重要な仏像である。ところが、大仏は、意匠的には、華厳宗がもとづく『華厳経』よりも律宗で重んじられた『梵網経』の内容に符合しているようにも見える。...

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  • 中世編纂のアヴァダーナ文献に見られる長老伝について

    山崎 一穂 印度學佛教學研究 62 (3), 1179-1184, 2014

    ...所収話のみと共有する説話要素を保持し,Ksemendraが『阿育王経』の祖形*Asokarajasutraの祖形に近い伝本に基づいて物語を著したことが推定される.AvadanakalpalataとAsokavadanamala所収話については次のような仏教観の違いが確認され得る.(1)Ksemendra本は仏教教義を単なる物語脚色の素材に用いているに過ぎない.(2)他方Asokavadanamalaは大乗仏教...

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  • 表現としての哲学

    コプフ ゲレオン 西田哲学会年報 11 (0), 181-155, 2014

    ...それにもかかわらず、 晩年の諸著作で歴史的世界を説明するために「一と多の絶対矛盾的自己同一」お よび「一即多」という表現を造語したことは、大乗仏教の哲学における非二元論 的な洞察に基づいていたように思われる。しかしながら、第二次世界大戦後には、 そのような哲学は国家主義的として批判されるようになった。...

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  • 『大乗荘厳経論』第十八章における羞恥(lajja)について

    岸 清香 印度學佛教學研究 61 (3), 1209-1216, 2013

    ...アスヴァバーヴァ・スティラマティによる諸註釈書によれば,差恥(lajja)という主題が第十八章の冒頭で論じられるのは,前章「供養・親近・無量品」との結びつきのためである.すなわち,羞恥(lajja)以下第十八章の論ぜられる項目すべてが,他者救済を念頭に置いた自利・利他行であることを強調するためである.従って差恥(lajja)は,六波羅蜜との関係上で言及され,自利・利他行を目的とする修行方法の一つとして,『大乗荘厳経論』中で大乗仏教思想...

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  • 『菩薩地』における身体観

    高橋 晃一 印度學佛教學研究 61 (3), 1197-1203, 2013

    ...初期仏教から大乗仏教に至るまで重要視された瞑想法に四念処(四念住)がある.単独で扱われることもあり,三十七菩提分法の筆頭に置かれることもある.アビダルマでは四聖諦現観の前段階である加行位に位置づけられる.この四念処は身受身法に関する随観(anupasyana/anupassana)と密接に関わっており,それに応じて身受心法の四種の念処が説かれる.先行研究が指摘するように,四念処の内容に関しては,阿含...

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  • 「蓮華喩讃品」に表された『金光明経』説示者の誓願

    鈴木 隆泰 印度學佛教學研究 61 (3), 1143-1150, 2013

    ...・大乗仏教出家者の生き残り策としての経典:『金光明経』に見られる,従来の仏典では余り一般的ではなかった諸特徴は,仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます強くなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で,余所ですでに説かれている様々な教説を集め,仏教の価値や有用性や完備性をアピールすることで,インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていこうとした,大乗仏教出家者の生き残り策のあらわれである...

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  • インドにおける仏典註釈書の引用からみる大乗不退転輪経のインド仏教史への影響

    アップル ジェームズ B 印度學佛教學研究 61 (3), 1151-1157, 2013

    ...におけるそれらがもたらした影響についてはそれほど知られてはいない.インドにおける仏典の持つ歴史的な影響力を知る一つの方法は,インドで後に制作された註釈書に現れる特徴的な引用を辿っていくことである.この発表では,大乗経を称する不退転輪経の検討とともに,インドにおける仏典註釈書に見えるその経典からの引用を辿りつつ,不退転輪経が歴史的に持っていた重要性について考察したい.本稿では,特にインドにおける著名な大乗仏教...

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  • 『金光明経』「懺悔品」

    鈴木 隆泰 印度學佛教學研究 60 (3), 1220-1228, 2012

    ...・大乗仏教徒の生き残り策としての経典:『金光明経』に見られる,従来の仏典では余り一般的ではなかった諸特徴は,仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます強くなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で,余所ですでに説かれている様々な教説を集め,仏教の価値や有用性や完備性をアピールすることで,インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていこうとした,(大乗)仏教徒の生き残り策のあらわれである...

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  • 北伝仏教文献の燃燈仏授記物語

    松村 淳子 印度學佛教學研究 59 (3), 1137-1146, 2011

    ...燃燈仏授記物語は,釈迦仏が過去世において仏陀になりたいと誓願を発し,燃燈仏からその成就を予言される物語で,初期仏教の悟りの理想から大乗仏教的な菩薩行重視への転換点を画する重要な物語である.筆者は,すでにパーリ仏教文献中の燃燈仏授記物語(スメーダ・カター)を総括し,Apadanaには明らかに北伝文献とのつながりが見られることを指摘したが,北伝仏教資料では伝承数が多く,物語のプロットも様々で複雑であり,...

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  • 『金光明経』「序品第一」

    鈴木 隆泰 印度學佛教學研究 59 (3), 1178-1186, 2011

    ...・大乗仏教徒の生き残り策としての経典:『金光明経』に見られる,従来の仏典では余り一般的ではなかった諸特徴は,仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます強くなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で,余所ですでに説かれている様々な教説を集め,仏教の価値や有用性や完備性をアピールすることで,インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていこうとした,大乗仏教徒の生き残り策のあらわれである...

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  • ブルーノ・ペッツオルトと富永半次郎の比較文化研究

    小谷 幸雄 印度學佛教學研究 59 (3), 1281-1284, 2011

    ...を紹介・論述した.一方はドイツ観念論哲學を重んじる天台宗の僧侶として忠實に傅統解釋を祖述する立場で,他方は一介の粋人・求道者として自由に釋尊の五蘊正觀を奉じる立場から,共に印度・シナ・日本三國の佛教とゲーテの全生涯に及ぶ種々のテーマとの比較-但しゲーテ自身は歴史上の佛教には言及がなく,専ら兩者の精神内容の比較-を試みた.前者が「説一切有部」の無明-行と「初めにロゴスありき」のファウストの盲目意志,大乗佛教...

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  • 無着作『僧随念註』の和訳研究

    藤仲, 孝司 佛教大学総合研究所紀要 17 93-114, 2010-03-25

    ...いわゆる『三宝随念経』とその註釈文献は部派仏教から後の大乗仏教にも継承されており,仏教を理解するにあたって,理論の面でも実践の面でもきわめて重要な典籍の一つである。...

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  • 『金光明経』に説かれる釈尊の法身獲得と衆生利益の接続

    鈴木 隆泰 印度學佛教學研究 58 (3), 1178-1186, 2010

    ...・大乗仏教徒の生き残り策としての経典:『金光明経』に見られる,従来の仏典では余り一般的ではなかった諸特徴は,仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます強くなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で,余所ですでに説かれている様々な教説を集め,仏教の価値や有用性や完備性をアピールすることで,インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていこうとした,大乗仏教徒の生き残り策のあらわれである...

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  • 『金光明経』における儀礼と説法師について

    日野 慧運 印度學佛教學研究 58 (3), 1187-1191, 2010

    ...『金光明経』(Suvarna(pra)bhasottamasutra=Suv)は,懺悔滅罪を教理的核としつつ,『般若経』『法華経』の影響を強く受けた中期大乗経典である.一方で,その呪句・儀軌の詳細・豊富さから,チベットにおいては密教経典として分類されてきた.大乗仏教と密教の要素を併せ持つこのSuvを,増広発展にともなって密教的色彩が漸次濃くなってゆく形成史上の性格も考えあわせて,筆者は大乗仏教から密教...

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  • 西田哲学と三一論的創造論

    斎藤 仁作 基督教研究 71 (2), 95-115, 2009-12-03

    ...西田哲学は絶対無の場所(大乗仏教の空)における真の自己(自由な人格的自己)の成立を究明し、実在世界の論理構造を絶対矛盾的自己同一として解明しているが、この絶対無の哲学は(イエスにおける神の歴史的な自己啓示から神の内的本質と世界関係を解明する)現代神学の三一論(三位一体論)や三一論的創造論と同一の内容を語っている。...

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  • 『金光明経』が表明する,布施による無上菩提の獲得

    鈴木 隆泰 印度學佛教學研究 57 (3), 1220-1228, 2009

    ...・大乗仏教徒の生き残り策としての経典:『金光明経』に見られる,従来の仏典では余り一般的ではなかった諸特徴は,仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます強くなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で,余所ですでに説かれている様々な教説を集め,仏教の価値や有用性や完備性をアピールすることで,インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていこうとした,大乗仏教徒の生き残り策のあらわれである...

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  • 佛教とゲーテ

    小谷 幸雄 印度學佛教學研究 57 (3), 1293-1299, 2009

    ...在り方と日本人としての在り方との調和を目指して古今東西の典據を模索する.その途上で『法華經』の<一>に遭遇するも,羅什譯に慊らず梵文原典からゲーテ形態・發生學の方法でそれの原型を摘出したのが自稱「根本法華」である.同教授はゲーテの<原現象>を眞言のマンダラに,<兩極性>・<高昇>は,『大乗起信論』にそれぞれ親縁であるとし,華嚴・天台の眞如・無明の不二一元形而上學の前段階であるとする.自著『ゲーテと大乗佛教...

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  • 1913-14年におけるT. S. エリオットの中道的思考 : F. H. ブラッドリーと姉崎正治の影響

    古賀 元章 Comparatio 12 8-21, 2008-11-20

    ...姉崎が彼に教えたことは、主に、中道思想の大乗仏教である。このような論述から判断すると、ブラッドリーの哲学と姉崎正治の仏教論には似たような考え方が認められる。そこで、彼らの影響を受けて、当時のエリオットは中道的思考を形成していると思われる。では、彼の中道的思考の骨子はどのようなものであろうか。また、なぜ彼はこれら二人の考え方を共に受け入れることができたのであろうか。...

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  • 良寛禅師の受食法(じゅじきほう) : 栄養療法の知的枠組についての研究5

    藤井, 義博, Yoshihiro, FUJII, 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科人間生活学研究科食物栄養学専攻, FUJI WOMEN'S UNIVERSITY 藤女子大学紀要. 第Ⅱ部 = The bulletin of Fuji Women's College. Series Ⅱ / 紀要第Ⅱ部編集委員会 編 45 13-23, 2008-03-31

    ...このように良寛禅師の受食法(じゅじきほう)は、托鉢(受食、乞食)時代の大乗仏教の受食法(じゅじきほう)であり、それは良寛禅師が人類普遍のヘレニズム文化の最も典型的な姿としての仏法を志向したからであると思われる。...

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  • 良寛禅師の戒語の普遍性 : 項目の分類と分析

    藤井, 義博, Yoshihiro, FUJII, 藤女子大学人間生活学部食物栄養学科・藤女子大学大学院人間生活学研究科食物栄養学専攻, Department f Food Science and Human Nutrition, Faculty of Human Life Science, and Division of Food Science and Human Nutrition, Graduate School of Human Life Science, Fuji Women's University 藤女子大学QOL研究所紀要 / 藤女子大学QOL研究所 編 3 (1), 11-24, 2008-03-01

    type:原著

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  • 本学における介護福祉士教育プログラムの一案(人文・社会科学系)

    長谷川, 美貴子, 藤澤, 雅子, HASEGAWA, Mikiko, FUJISAWA, Masako 淑徳短期大学研究紀要 47 91-115, 2008-01-01

    ...そこで今回、時代のニーズに即応した本学独自の介護教育指針を提示するために、本学の現行教育と厚生労働省の提言とを比較検討し、さらに本学の教育理念である大乗仏教の「共生の精神」を根底に据えながら今後の介護教育展望を明らかにした。主な検討内容としては、具体的なカリキュラム編成、期待する介護福祉士像から導き出した介護教育目標の設定、科目間の進度関連化などである。...

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  • 三十二相の意味

    新田 智通 印度學佛教學研究 56 (3), 1095-1101, 2008

    ...ブッダの三十二相に代表されるような大人相は,しばしばブッダ超人化の所産とされてきたが,その一方で,大乗仏教や後代の部派仏教においては,それは観相の対象とされていたという見解も示されている.もしそうであるならば,相好はブッダを超人として飾り立てるだけのものではなく,むしろ何らかの象徴的な意味を有しているはずである.したがって本稿は,三十二相についての伝承を含んでいる「大譬喩経」(Mahapadanasuttanta...

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  • 『法華経』と『菩薩處胎経』の比較研究

    LEGITTIMO Elsa 印度學佛教學研究 56 (3), 1114-1120, 2008

    『法華経』の「見宝塔品」は,壮麗な宝塔が大地より涌出し,空中に住在するという劇的な記述で始まる.この塔は,過去多宝如来の全身舎利を安置しており,多宝如来の往昔の誓願によって出現したものである.釈迦牟尼が白毫より光を放射すると,十方の仏国土に住する如来の分身の姿が映し出される.その時,多宝如來の舎利塔を礼拝するために,十方の諸如来がそれぞれ菩薩を引き連れて,この世界にやって来る.そこで,釈迦牟尼が…

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  • <諸天に関する五品>より見た『金光明経』の編纂意図

    鈴木 隆泰 印度學佛教學研究 56 (3), 1102-1109, 2008

    ...日々の宗教生活を「『金光明経』の教え」「〔大乗〕仏教の教え」に基づいて送ることができるようになる.したがって,『金光明経』に見られる,従来の仏典では余り一般的ではなかった諸特徴は,仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます大きくなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で,仏教の価値や有用性や完備性をアピールすることで,インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていこうとした,大乗仏教徒...

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  • 金光明経堅牢地神品に見る, 金光明経編纂者の意図

    鈴木 隆泰 印度學佛教學研究 55 (3), 1092-1100, 2007

    ...したがって,『金光明経』に見られる, 従来の仏典では余り一般的ではなかった諸特徴は, 仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます強くなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で, 仏教の価値や有用性や完備性をアピールすることで, インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていこうとした, 大乗仏教徒の生き残り策の一つのあらわれと考えることができる....

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  • 袈裟の素材

    リッグス ダイアン 印度學佛教學研究 55 (3), 1161-1166, 2007

    ...慈悲が強調される大乗仏教にあって, 一切の絹製品の着用を禁止した. しかし, 義浄は道宣とは異なった立場をとる. 即ち食の面でも生き物を害しており, 在家信者から絹製品を受けることを許していると主張する.<br>この道宣の律の解釈・主張は, 日本では広く受け入れられてきた. 江戸時代の戒律復興運動において, 道宣の絹に対する見解が再び問題となり, 論議を引き起こした....

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  • 金光明経吉祥天女品に見る儀礼の応用と導入・受容

    鈴木 隆泰 印度學佛教學研究 54 (3), 1154-1162, 2006

    ...<br>『金光明経』の編纂者たちは, 仏教に比べてヒンドゥーの勢力がますます強くなるグプタ期以降のインドの社会状況の中で, インド宗教界に生き残ってブッダに由来する法を伝えながら自らの修行を続けていくために, 仏教, 特に大乗仏教の価値や有用性や完備性を, 在家者を含む支持者たちに強調しようとしたのである....

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  • 大乗仏教における四聖諦観の一考察

    古坂 紘一 印度學佛教學研究 54 (1), 396-390, 2005

    On the 24<sup>th</sup> Chapter of the <i>Mulamadhyamaka-karika</i>, the <i>Prajñapradipa</i> of Bha (va) viveka quotes a sutra with regard to the Four Noble Truths.<br>The sutra states, “Mañjusri, …

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  • 日本人の宗教意識と社会的実践 : 特に浄土真宗の門信徒を中心に

    口羽 益生, 舟橋 和夫, Kuchiba Masuo, Funahashi Kazuo 仁愛大学研究紀要 (2) 1-14, 2004-03-31

    ...本論においては, 浄土真宗門信徒の宗教行動と宗教意識を浄土真宗本願寺派宗勢基本調査実施センターによる1996年度の全国末寺寺院の実態調査 (「第7回宗勢基本調査」) の資料を詳細に統計的手法を用いて分析することにより, 宗教意識のレベルが高いほど, 社会的実践 (社会の福利厚生や社会改良に資する行為) の傾向が門徒に強くみられるが, これは大乗仏教の利他主義的菩薩の精神が実践のモデルになっていることによると...

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  • The Idea of Compassion

    YOKOTA, John S., YOKOTA, Shunji 現代社会研究 1 65-80, 2001-03-30

    The paper discusses the Buddhist notion of compassion through an analysis and critique of the Mahayana doctrines of bodhisattva (enlightened beings) and upaya (skillful means). While it recognizes …

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  • ネワール法界マンダラ図像資料

    立川 武蔵, Musashi Tachikawa 国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology 23 (4), 699-808, 1999-03-31

    ...本稿は,カトマンドゥ盆地内において有名な法界マンダラの作例としてバク・バハール寺院,ノ・バハール寺院,ブ・バハール寺院のマンダラを取りあげ,その線刻された図像を大乗仏教図像学の基礎資料として提供しようとするものである。...

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  • 旃陀羅の史的考察(三) : 大乗仏教から密教まで

    宮坂 宥勝 智山学報 43 (0), 53-79, 1994

    ...大乗仏教から密教に至るまでのチャンダーラ観は、バラモン教やヒンドゥー教の側からみたそれと対比して重要な問題を提起していると思われる。古代中世のインドにおける一般社会の人間観とともに仏教の人間観の特質を究明してみたい。...

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  • 旃陀羅の史的考察(一)

    宮坂 宥勝 智山学報 41 (0), 37-57, 1992

    ...大乗仏教では第四階級に含まれるものとするのと、階級に組みこまれないところのいわゆるアウト・カースト(out-caste)とするものとの、二つの立場が認められる。初期仏教以来大乗仏教、密教に至るまで、全仏教史の展開のなかで、チャンダーラはいかなる意味においても常に無視すべからざるものであった。というのもチャンダーラ観は仏教の人間観と深く関わってきたからである。...

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  • 『中論』の宗教学的背景

    立川 武蔵 南アジア研究 1990 (2), 58-76, 1990

    ...それはエリアーデが『ヨーガ』の中で企てていることでもあった.本論文は, 大乗仏教に理論的モデルを与えた竜樹 (2世紀頃) の主著『中論』の思想を「俗なるもの」の否定により「聖なるもの」が顕現するという観点より考察するものである....

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