検索結果 387件中 1-20 を表示

  • Flora of Bokor National Park, Cambodia III : A New Species, Garcinia bokorensis (Clusiaceae)

    TOYAMA HIRONORI , TAGANE SHUICHIRO , CHHANG PHOURIN , NAGAMASU HIDETOSHI , YAHARA TETSUKAZU

    A new species, Garcinia bokorensis H. Toyama & Yahara (Clusiaceae), is described from Bokor National Park, Cambodia. We provide a description, illustration and photographs of the new species, and update the key to identify the species of Garcinia sect. Oxycarpus in Indochina.

    Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 67(1), 47-53, 2016

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  • 172 4枚翅羽ばたきモデルによる姿勢制御

    西村 俊哉 , 高木 基樹 , 三好 扶

    東北支部総会・講演会 講演論文集 2016.51(0), 141-142, 2016

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  • 三重県多度イヌナシ自生地における絶滅危惧種マメナシの訪花昆虫相

    牧村 郁弥 , 鶴田 燃海 , 山崎 和久 [他] , 向井 譲

    栽培ナシと近縁なナシ属の野生種マメナシは、愛知県と三重県にのみ分布する東海丘陵要素の植物の一つである。絶滅危惧IB類に指定され、様々な保全活動が進められる一方で、マメナシの更新に必要不可欠な個体間での送粉をどのような送粉者が担っているのかについては、これまで全く調べられていない。そこでマメナシの送粉者を明らかにすることを目的に、三重県桑名市多度町のマメナシの自生地において訪花昆虫相の同定を行った。マメナシの開花初期・満開期・散り始めの3日間の捕獲調査で、合計で573個体、10目25科にわたる昆虫を採取した。これらの中には、他の植物においても重要な送粉者であるとされるミツバチ科やヒメハナバチ科などのハチ目(26.0%)に加え、ハナアブ科やツリアブ科などのハエ目(57.4%)の訪花が多く確認された。またこれらの昆虫は、マメナシの満開の時期に最も多く訪花していた。頻度に加えマメナシのフェノロジーと関連した訪花により、ハナバチ類(ミツバチ上科)やハナアブ科の昆虫がマメナシの主要な送粉者であると推察された。

    保全生態学研究 20(2), 197-202, 2015

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  • 省力型農法としての「不耕起V溝直播農法」が水田の節足動物と植物の多様性に及ぼす影響(<特集>生物多様性に配慮した水田の自然再生)

    小路 晋作 , 伊藤 浩二 , 日鷹 一雅 [他] , 中村 浩二

    水稲の省力型農法である「不耕起V溝直播栽培」(以降、V溝直播と略す)では、冬期にいったん給水し、代かきを行った後、播種期前に落水して圃場を乾燥させる。イネの出芽後(石川県珠洲市では6月中旬以降)から収穫直前まで湛水し、夏期の落水処理(中干し)を行わない。また、苗箱施用殺虫剤を使用しない。このようなV溝直播の管理方式は、水田の生物多様性に慣行の移植栽培とは異なる影響を及ぼす可能性がある。本稿では、石川県珠洲市のV溝直播と移植栽培の水田において、水生コウチュウ・カメムシ類、水田雑草、稲株上の節足動物の群集を比較し、以下の結果を得た:(1)V溝直播では6月中旬以降に繁殖する水生コウチュウ・カメムシ類の密度が高かった。この原因として、湛水期間が昆虫の繁殖期や移入期と合致すること、さらに苗箱施用殺虫剤が使用されないことが考えられた。(2)V溝直播では夏に広く安定した水域があり、そこにミズオオバコ等の希少な水生植物が生育し、有効な保全場所となった。(3)両農法の生物群集は、調査対象群のすべてにおいて大きく異なり、両農法の混在により生じる環境の異質性が、水田の動植物のベータ多様性を高める可能性が示唆された。一方、V溝直播には以下の影響も認められた:(1)4月から6月中旬にかけて落水するため、この時期に水中で繁殖する種群には不適である。(2)初期防除が行われないため、一部の害虫(イネミズゾウムシ、ツマグロヨコバイ)の密度が増加した。本調査地におけるV溝直播水田では、慣行の移植栽培と同様に、8月中旬に殺虫剤散布が2回行われており、生物多様性への悪影響が懸念される。本調査の結果は、一地域に二つの農法が混在し、それぞれに異なる生物群集が成立することにより、今後の水田動植物の多様性が保全される可能性を示している。

    日本生態学会誌 65(3), 279-290, 2015

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  • 佐渡世界農業遺産における生物共生農法への取り組み効果(<特集>生物多様性に配慮した水田の自然再生)

    西川 潮

    水田は農作物の栽培の場を提供するだけでなく、かつて氾濫原湿地を利用していたさまざまな生物に棲み場や餌場を提供する。近年、水田は、その代替湿地としての重要性が見直され、農業生産と生物多様性再生の両立を念頭に置いた生物共生農法への取り組みが全国各地で進められている。佐渡市では、2008年度より開始されたトキ(<i>Nipponia nippon</i>)の再導入事業に合わせて、水稲農業に水田の生物多様性再生を軸とした「朱鷺と暮らす郷づくり」認証制度が導入された。2013年現在、全島の約24%の水田で認証米栽培への取り組みが進められている。この消費者と一体となった農地の環境保全体制、トキが棲む里地・里山景観、そして金山の影響を受けた固有の文化が認められ、佐渡市は2011年に、国際連合食糧農業機関(FAO)により世界農業遺産(GIAHS)に認定された。本報告では、佐渡市における生物共生農法への取り組みが、トキ、両生類、魚類、および大型底生無脊椎動物(底生動物)といった水田の生物多様性に与える影響について紹介する。生物共生農法の取り組み効果は、分類群によっても、水田内外の環境要因や土地利用によっても、空間スケールによっても異なり、とくに、耕作期および非耕作期の安定した湛水環境創出の取り組みや、減農薬・減化学肥料の取り組み、水田と水路の連結性確保の取り組みが水田の生物多様性向上に効果的であると考えられる。佐渡市では多様な農法への取り組みが水田の生物多様性を向上させていることが示され、今後も農法の多様性を維持向上させ、その成果を認証米の販売に活かしていくことが、里地・里山の自然再生を持続的に推進していくうえで重要と考えられる。

    日本生態学会誌 65(3), 269-277, 2015

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  • 水生昆虫食 : 河川底生動物の食料としての可能性

    加藤 元海 , 見並 由梨 , 井上 光也

    地球上における急激な人口増加に伴う食料問題の対策の1つとして、栄養価や生産コストの面から昆虫を利用することが有益であるとの報告書を2013年に国連食糧農業機関がまとめた。現在食べられているのはほとんどが陸生昆虫で、水生昆虫は少ない。しかし、水生昆虫の一部はザザムシや孫太郎虫として日本では食用とされてきた。本研究では、比較的大型で採集しやすい水生昆虫であるヘビトンボ、ヒゲナガカワトビケラ、大型カワゲラを対象に食用昆虫としての可能性を探るため、水生昆虫の生物量や収穫のしやすさを河川において現地調査し、加えて水生昆虫食に対する意識調査を行なった。底生動物の生物量は0.1から7.5g/m<sup>2</sup>の範囲で、うち食用昆虫の割合は平均で63%だった。また、生物量と捕獲努力量との間には正の相関がみられた。大型の水生昆虫を効率的に採集するには、降水や水生昆虫の生活史を考慮すると冬から初春に行なうのが適切であろう。昆虫食に対する意識では、見た目への抵抗感に関する記述が多くみられた。しかし、水生昆虫を食べる前より実際に食べた後の方が肯定的な意見が増えた。水生昆虫食の普及には、見た目の工夫を施し、抵抗感を打ち消す広報や教育によって、今後、水生昆虫が食材として受け入れられる可能性はあると結論付けた。

    日本生態学会誌 65(2), 77-85, 2015

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  • Flora of Bokor National Park, Cambodia I : Thirteen New Species and One Change in Status

    TAGANE SHUICHIRO , TOYAMA HIRONORI , CHHANG PHOURIN , NAGAMASU HIDETOSHI , YAHARA TETSUKAZU

    Thirteen new species from Bokor National Park, Kampot Province, Cambodia are described and illustrated: Heteropanax bokorensis Tagane & Nagam., sp. nov., Schefflera cambodiana Yahara & Tagane, sp. nov., Dichapetalum cambodianum Tagane & Nagam., sp. nov., Elaeocarpus bokorensis Tagane, sp. nov., Croton phourinii H. Toyama & Tagane, sp. nov., Lithocarpus eriobotryifolius Yahara, sp. nov., Cinnamomum bokorense Tagane & Yahara, sp. nov., Cinnamomum dimorphandrum Yahara & Tagane, sp. nov., Lindera bokorensis Tagane & Yahara, sp. nov., Memecylon bokorensis Tagane, sp. nov., Syzygium elephantinum Tagane, sp. nov., Phyllanthus bokorensis Tagane, sp. nov., and Ardisia smaragdinoides Yahara & Tagane, sp. nov. In addition, Rhaphiolepis mekongensis (Cardot) Tagane & H. Toyama, stat. nov. is recognized as a distinct species. A lectotype for R. indica var. mekongensis Cardot is also selected.

    Acta Phytotaxonomica et Geobotanica 66(2), 95-135, 2015

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  • 遺伝的多型の維持機構の体系的理解とその検証における多角的アプローチの重要性(奨励賞(鈴木賞)受賞者総説)

    高橋 佑磨

    種内の遺伝的多型は、種分化の初期過程の例、あるいは遺伝的多様性のもっとも単純な例であることから、古くから理論的にも実証的にも研究が盛んに行なわれてきた。結果として、遺伝的多型に関する研究は、種分化や多様性の維持機構というような進化学や生態学において中核をなす重要なプロセスの理解に大きく貢献している。しかしながら、遺伝的多型の維持機構は実証的には検証が充分であるとはいいがたい。その理由の一つには、生態学者の中で多型の維持機構について正しい共通見解がないことが挙げられる。もう一つの大きな理由は、これまでに示されてきた多型の維持機構に関する証拠は状況証拠に過ぎない点である。選択の存在やその機構との因果性を担保できない断片的な状況証拠では多型の維持機構を包括的に理解することにはならないのである。そこで本稿では、まず、遺伝的多型の維持機構に関してこれまでに提唱された主な説を概説するとともに、それらの関連を体系的に捉えるための"頻度依存性"という軸を紹介する。ついで、負の頻度依存選択を例に、これまでに行なわれた多型の維持機構に関する実証研究の問題点を明確にしていく。そのうえで、選択のプロセスの複数の段階で選択の証拠を得、それらの因果性をできるかぎり裏付けていくという研究アプローチの重要性を述べたい。個体相互作用の引き金となる行動的・生理的基盤からその生態的・進化的帰結を丁寧に結びつけるこのような多角的アプローチは生態学や進化学が扱うあらゆる現象に適用可能な手法であると思われる。

    日本生態学会誌 64(3), 167-175, 2014

    日本農学文献記事索引  J-STAGE 

  • 荒廃した泥炭地湿原での地盤掘り下げによる植生再生試験

    冨士田 裕子

    1.北海道札幌市北区篠路町福移に残存する退行遷移の進行した泥炭地湿原で,分解の進んだ表層泥炭の除去(地盤掘り下げ)による植生再生が可能かどうかを試験した.2000年秋にササ群落とヌマガヤ群落内に試験区(2m×6m)を設け,それぞれ3等分し,地剥ぎ(刈り払い),地表から20cm,地表から30cmの泥炭を排除した後,2001年から2008年まで毎年夏季に植生調査を行った.<BR>2.地剥ぎ区は地下部から植物が再生し,処理翌年から植被率が高かったが,ヌマガヤ区,ササ区ともに周辺で見られないオオイヌノハナヒゲ,ミタケスゲなど湿性の種も出現した.<BR>3.掘り下げ区ではいずれもチマキザサは出現せず,現植生とは異なる群落が成立した.ヌマガヤ20cm掘り下げ区では,オオイヌノハナヒゲ,ムジナスゲの発芽・成長にともない,植被率が上昇した.ササ20cm掘り下げ区では,経年とともにアブラガヤ,オオイヌノハナヒゲ,ミタケスゲ,ヤチヤナギの被度が上昇した.30cm掘り下げ処理区は,冠水状態の年が多く,出現種数は少なく,植被率は2003年まで1%未満であった.ヌマガヤ30cm掘り下げ区では,2006年からムジナスゲの被度が上昇し,2007年には植被率が40%になった.ササ30cm掘り下げ区では,2004,2005年にタヌキモが繁茂したが,2006年以降激減し,2002年に発芽したホタルイや2006年に発芽したフトイ,ヨシなどの被度が高くなった.<BR>4.試験区では1998年の篠路湿地の植物相調査で確認できなかった種や,試験区を設置した元の群落には出現していない種が見られた.これらの出現種の多くは埋土種子から発芽したと考えられた.<BR>5.試験結果から,劣化した泥炭地湿原で導水が見込めない場合,20cm程度の泥炭の排除によってササなどの根茎を取り除き,相対的に地下水位を高めることが,現植生より湿性の群落の成立に有効と考えられた.ただし,出現する種は限られており,高層湿原植生の復元は困難であった.

    植生学会誌 31(1), 85-94, 2014

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  • 色温度の異なるLED照明に誘引される昆虫類

    木村 悟朗 , 春成 常仁 , 伯耆田 勇一 [他] , 亀澤 一公 , 谷川 力

    都市有害生物管理 = Urban pest management 4(1), 23-26, 2014

    国立国会図書館
    デジタルコレクション
     

  • LED照明と冷陰極蛍光ランプに誘引された昆虫類

    木村 悟朗 , 春成 常仁 , 伯耆田 勇一 [他] , 亀澤 一公 , 谷川 力

    LED照明と冷陰極蛍光ランプ(CCFL)に飛来する昆虫類を印旛沼湖岸で調査した.また,各照明と蛍光灯(熱陰極管ランプ:HCFL),およびLED照明と紫外線領域の波長が制御された防虫ランプとの捕獲数を比較した.LED照明とCCFLにはコウチュウ目,ハエ目,カゲロウ目,ハチ目,カメムシ目,チョウ目,アミメカゲロウ目,トンボ目,カジリムシ目,トビケラ目が捕獲された.ユスリカ科はLED照明(82.9±2.1%)とCCFL(91.7±2.7%)のいずれにおいても優占した.LED照明による全昆虫類の平均捕獲数(127.6±46.2個体/15分)は,蛍光灯による平均捕獲数(255.7±115.7個体/15分)と比べて有意に低かった(p=0.003).一方,CCFLの平均捕獲数(129.4±66.2個体/15分)は蛍光灯と同程度(131.5±44.0個体/15分)であった(p=0.850).さらに,LED照明の平均捕獲数(869.7±355.0個体/15分)は防虫ランプと同程度(1186.7±199.5個体/15分)であった(p=0.063).ユスリカ科は全ての光源で優占し,いずれの光源間においても平均捕獲数に有意な差がなかった(LED照明と蛍光灯との比較,p=0.312,LED照明と防虫ランプとの比較p=0.250,CCFLと蛍光灯との比較p=0.910).しかし,分類群によって光源間の平均捕獲数の偏りは異なった.ユスリカ科を含むいくつかの分類群は,誘引性が紫外線成分の多少によって影響を受けない可能性が示唆された.

    都市有害生物管理 = Urban pest management 4(1), 15-21, 2014

    国立国会図書館
    デジタルコレクション
     

  • 造成されたビオトープにおける水生昆虫の種数の変化

    田中 幸一 , 浜崎 健児 , 松本 公吉 [他] , 鎌田 輝志

    鯉淵学園農業栄養専門学校構内(茨城県水戸市)において2004年に,水生生物の生息地を提供することを目的として,水路および池から成る面積1,500m^2のビオトープが造成された.このビオトープの生物の生息地としての機能を評価するため,2006〜2011年に,トンボ目成虫および水面・水中の水生昆虫(コウチュウ目およびカメムシ目,トンボ目幼虫)の調査を行った.トンボ目成虫は合計9科31種,水面・水中の水生昆虫は少なくとも41種が確認され,本ビオトープが水生昆虫の生息地として好適な環境であると考えられた.トンボ目成虫,水面・水中の水生昆虫の種数は,2007年までは増加したが,2008年には減少した.この減少の原因として,池や水路の底に泥が堆積し水生昆虫にとっての生息環境が悪化したことが考えられたため,浚渫を行った.浚渫後には,トンボ目成虫および水生昆虫の種数は回復した.これらの結果から,ビオトープ造成後の水生昆虫種数の変化とその要因およびビオトープの管理について考察した.

    昆蟲.ニューシリーズ 16(4), 189-199, 2013

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  • H-P-2 昆虫を規範としたはばたきロボットの研究 : 翅のはばたき位相差が飛翔性能と流体力に及ぼす影響(ポスター発表)

    工藤 憲作 , 鈴木 健司 , 中村 晃洋 , 伊藤 慎一郎 , 高信 英明 , 三浦 宏文

    This paper describes the effect of flapping phase difference on flight performance and fluid forces.We developed a flapping-wing robot with flapping phase differences.Phase relationship between forewings and hind wings was changed from 0 to 180 degrees with 90 intervals and angle of attack and flight speed during free flight were measured.When the phase differences were 0 and 90 degrees,the robot can fly with angle of attack ranging from 30 to 40 degrees.However,when the phase difference was 180degree,angle of attack increased and the robot descended.Measurement of lift and drag using wind tunnel shows that the lift force with phase differences of 0 degrees exceeds the body weight when angle of attack is about 35 degrees.Moreover,the robot was measured flow visualization around the flapping wings using smoke wire method.These results were in good agreement with the free flight experiments.

    IIP情報・知能・精密機器部門講演会講演論文集 2013(0), 264-269, 2013

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  • 沖縄島北部の池に生息する均翅亜目幼虫の相対個体数と季節変動

    片山 元気 , 立田 晴記

    沖縄島北部にある2つの湖沼でイトトンボ科の幼虫密度を定量的に調査した.沖縄島に分布する6種の土着種のうち,大宜味村の池では4種が,国頭村の池では3種が見つかった.2つの湖沼共に,ムスジイトトンボが全個体数の60〜70%を占めていた.大宜味村では次にリュウキュウベニイトトンボが多く,アオモンイトトンボ,コフキヒメイトトンボと続く.国頭村ではアオモンイトトンボ,リュウキュウベニイトトンボの順であった.AICで選択されたモデルによって,池に出現するイトトンボ幼虫の相対的な個体数は,種や季節,水草の種によって異なるだけでなく,イトトンボ幼虫の季節変動および水草の種に関する生息場所選択のパターンが種間で異なっている可能性が示された.

    昆蟲.ニューシリーズ 15(1), 15-20, 2012

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  • 里山のスギ林内に生じたギャップで生活するノシメトンボの採餌飛翔

    加藤 賢太 , 渡辺 守

    冷温帯の里山に生息するノシメトンボSympetrum infuscatum(Selys)は,水田で羽化した後,周囲のスギ林のギャップへ移動し,生涯を過ごしている.水田へは,産卵のために短時間飛来するに過ぎない.ギャップでは,繁殖行動を示さず,休息と採餌行動を行なっている.採餌は待ち伏せ型で,ハエやハチなどの小昆虫を餌としている.繁殖期に入ったノシメトンボの採餌行動を,8月下旬から9月初めにかけて観察した.ノシメトンボは,地上から約2mの高さで静止し,正午にピークをもつ一山型の採餌行動を示した.ピーク時の採餌飛翔は,雌で約36回/時間,雄は約24回/時間であった.採餌飛翔の成功率は雌で34%,雄で33%と,雌雄で有意な差はなかった.その結果,1日当たりの採餌成功回数は,雌で102回,雄で64回となった.林内ギャップにおける餌となる小昆虫の平均乾燥重量は0.17mg/個体であったので,ノシメトンボの1日当たりの摂食量は雌で17mg,雄で10mgとなり,これらの値は室内実験の結果と一致した.

    昆蟲.ニューシリーズ 14(3), 177-186, 2011

    J-STAGE 

  • 朝比奈正二郎先生追悼の辞

    枝 重夫

    昆蟲.ニューシリーズ 14(2), 161-162, 2011

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  • 中山間部の湿田とその側溝における大型水生動物の生息状況

    田和 康太 , 中西 康介 , 村上 大介 [他] , 西田 隆義 , 沢田 裕一

    圃場整備事業の拡大に伴い、平野部の水田では乾田化が進められてきた。このことが近年、水田の多種の水生動物が減少した一要因と考えられている。一方で、山間部などに多い排水不良の湿田では、一年を通して湿潤状態が保たれる。そのため、非作付期の湿田は水生動物の生息場所や越冬場所となり、生物多様性保全の場として重要な役割を担うといわれるが、実証例は少ない。本研究では、滋賀県の中山間部にある湿田およびそこに隣接する素掘りの側溝において、作付期から非作付期にかけて大型水生動物の生息状況を定量的に調査した。全調査期間を通じて、調査水田では側溝に比べて多種の水生動物が採集された。特にカエル目複数種幼生やコシマゲンゴロウに代表されるゲンゴロウ類などの水生昆虫が調査水田では多かった。このことから、調査水田は側溝に比べて多種の水生動物の生息場所や繁殖場所となると考えられた。その原因として餌生物の豊富さ、捕食圧の低さなどの点が示唆された。一方、側溝では水田に比べてカワニナやサワガニなどの河川性の水生動物が多い傾向があった。またドジョウの大型個体は側溝で多く採集された。このことから、中山間部の湿田では、調査水田と側溝のように環境条件や構造の異なる複数の水域が組み合わさることによって、多様な水生動物群集が維持されていると考えられた。また、非作付期と作付期を比較したところ、恒久的水域である側溝ではドジョウやアカハライモリなどが両時期に多数採集された。さらに調査水田ではこれらの種に加えて、非作付期の側溝ではみられなかったトンボ目やコウチュウ目などの多種の水生昆虫が両時期に採集されたことから、非作付期の水生動物の種数は側溝に比べてはるかに多かった。このことから、非作付期の水田に残る水域が多くの水生動物にとって重要な生息場所や越冬場所になると考えられた。

    保全生態学研究 18(1), 77-89, 2013

    J-STAGE 

  • 繁殖干渉によって生じる生態的形質置換(<特集2>いま種間競争を問いなおす : 繁殖干渉による挑戦)

    小沼 順二 , 千葉 聡

    分布の重複する2種が、異所的な個体群間では同様の形質値を示す一方で、同所的な個体群間では異なる形質値を示すことがある。形質のこのような地理的パターン形質置換とよばれ、種間相互作用が形質分化に影響を与えたことを示す重要な証拠となる。形質置換は、「生態的形質置換」と「繁殖的形質置換」の2つに分類される。生態的形質置換とはフィンチのくちばしやトゲウオの体型のように、資源利用に関わる形質の分化パターンのことであり資源競争がその主要因として考えられる。一方、繁殖的形質置換とは体色や鳴き声など繁殖行動に関わる形質の分化パターンのことであり、交配前隔離機構の強化の結果生じる分化パターンをさす。種間交雑によって生じるコスト、すなわち「繁殖干渉」を避けるように、交配相手認識に関わる形質が種間で分化するパターンといえる。これまで多くの生態的形質置換研究事例が報告されてきたが、実際それらにおいて種間競争を示した研究は非常に少ない。そこで我々は「生態的形質置換と思われている形質分化パターンの幾つかは実際には資源競争が要因ではなく繁殖干渉によって生じたのではないか」という仮説を立てた。特に体サイズのように資源利用や繁殖行動両方に関わる形質の分化では、資源競争の効果を考えなくても繁殖干渉が主要因として働き形質分化が生じる可能性を考えた。そこで同所的種分化モデルを拡張したモデルを用い本仮説の理論的検証を行った。その結果、たとえ種間に資源競争が全く存在しないという条件下においても資源利用に関わる形質が隔離強化の結果として2 種間で分化し得ることを示すことができた。この結果は、繁殖干渉が種間の形質差を導く主要因になり得ることを示している。

    日本生態学会誌 62(2), 247-254, 2012

    日本農学文献記事索引  J-STAGE  参考文献72件 被引用文献1件

  • 繁殖干渉の視点から競争実験を再検討する(<特集2>いま種間競争を問いなおす : 繁殖干渉による挑戦)

    岸 茂樹 , 西田 隆義

    種間競争の結末は競争排除か共存のいずれかに終わるはずである。均一で閉鎖的な実験条件下で競争排除が容易に生じることは、不均一で開放的な野外環境下では資源分割による共存が生じうることを予想させる。したがって種間競争は野外の生物の資源利用様式を決定づける大きな要因と考えられてきた。資源競争の理論的予測によれば、競争排除が起きるためには、種間の強い密度依存効果が必要となる。Gauseが競争排除則を提唱して以来、多くの室内競争実験により競争排除が繰り返し観察されてきた。そしてそれらの結果から種間の強い密度依存効果の存在が推定されてきた。しかし競争排除を起こすほどの強い競争メカニズムを具体的に示した研究は少ない。我々は種の絶滅を引き起こす要因として、種間の性的相互作用である繁殖干渉に着目して研究を進めてきた。繁殖干渉は正の頻度依存性をもつため種の絶滅を起こしやすいことが予測されている。本稿ではまずマメゾウムシ2種を用いた一連の実験結果から、繁殖干渉の非対称な関係と競争実験の結果が一致することを示す。次に繁殖干渉のメカニズムを検討する。一般に繁殖の過程は多くの段階にわかれているため、繁殖干渉もその各段階で生じうる。交雑は繁殖の過程の最終段階で生じる繁殖干渉にあたる。これまで交雑が最も注目される一方、それより前の繁殖過程に生じる種間のハラスメントは見落とされてきた。本論文では、マメゾウムシの競争系において、遺伝的な痕跡が残らない種間ハラスメントの重要性を指摘する。最後に、これまで行われてきた多くの室内競争実験の結果を繁殖干渉の視点から再検討する。繁殖干渉がより一般的に種の絶滅を予測できる可能性を議論する。

    日本生態学会誌 62(2), 225-238, 2012

    日本農学文献記事索引  J-STAGE  参考文献114件

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