青果物鮮度保持剤としての架橋ポリ(4-ビニルピリジン)-臭素錯体

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タイトル別名
  • Cross-linked Poly(4-vinylpyridine) -Bromine Complexes as Preserving Agent for Fruit and Vegetables
  • セイカブツ センド ホジザイ トシテノ カキョウ ポリ 4 ビニルピリジン シ

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抄録

青果物鮮度保持剤(エチレン除去剤)としてポリ(4-ビニルピリジン)-臭素錯体に着目し,ピリジン樹脂の合成条件と得られる樹脂の構造と樹脂一臭素錯体の性質との関係を調べた.ジビニルベンゼンを架橋剤として,4-ビニルピリジンの重合を水懸濁系,メタノール分散系および有機溶剤添加水懸濁系にて行った.水懸濁系での重合では比較的粒子が大きく強度の高い樹脂が得られたが,比表面積が小さかった.メタノール分散系では比表面積の大きな樹脂が得られたが,凝集粒子が微粉化し易く実用化が難しかった.t-ペンチルアルコールとトルエンとを添加した水懸濁系での重合により,実用的な大きさと強度を持った多孔性樹脂が得られた.この有機溶剤添加水懸濁系ではジビニルベンゼンの一部をスチレンで代替することができ,より低コストの実用的な樹脂が得られた.<BR>ポリ(4-ビニルピリジン)一臭素錯体の低分子化合物モデルとしての4-エチルピリジン-臭素錯体はエチレンガスと反応して1 ,2-ジブロモエタンを生成し,1,2-ジブロモエタンはポリ(4-ビニルピリジン)に容易に吸着された.このことからポリ(4-ビニルピリジン)-臭素錯体によるエチレンガスの除去は,錯体中の分子状臭素がエチレンに付加し,生成物は樹脂中に吸着保持されるためと考えられた.また,樹脂の比表面積が大きいほど,除去速度が大きいことから,樹脂-嗅素錯体内部へのエチレンガスの拡散浸透が反応の律速段階であると考えられた.

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参考文献 (13)*注記

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