授業にデイベートを取り入れることによる環境倫理観の形成の可能性についての一考察

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タイトル別名
  • A Study on the Possibility of Forming Environmental Ethics by Adopting the Debate Method in Science Teaching
  • 授業にディベートを取り入れることによる環境倫理観の形成の可能性についての一考察
  • ジュギョウ ニ ディベート オ トリイレル コト ニヨル カンキョウ リンリカ

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抄録

<p>環境倫理観とは,「人間を含めた地球の自然の中での個々の人間としての生き方の基本の見方や理念」と考えられる。この環境倫理観の基礎には,重要な要素として批判的思考力があると考える。波多野らの批判的思考力の定義をもとに環境倫理観の形成過程を,「情報を受け入れ,自分の考えに基づきその確かさを判断し,同化・調節・推論を出すことを繰り返すことによって形成される。」,そして環境倫理観形成についての形成結果の一つとして「A・コージブスキーのいう二値的思考から多値的思考の形成についての移行。」という仮説を設定した。ディベートをとり入れた授業時における,子どもの思考をこの仮説をもとに考察し,教師主導の授業と比較することによって,環境倫理観の形成過程と結果について効果を調べてみた。調査の結果,意見の持つ意味を大切にするディベートをとり入れた場合,1. 聞きたい,発言したいという願望が発生する授業 2. 新たな考え方,視点の発見がある授業 3. 意見一つ一つを自分で判断し,同化調節,推論を繰り返す授業 4. 多値的思考が見られる授業により近づくことがわかった。子どもの反応を調べてみて,意見重視のデイベートは子どもの学習活動への意欲を引き出し活発化する,そして,これら4つの効果を引き出すと考える。ディベートにおいては,前もって正解がただ一つと設定されていることがないので,子どもはより自由に自分の価値観と情動を表現し,意見を相対化することで多値的に思考できるものと考えられる。</p>

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