極東ロシアの鉱物資源

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タイトル別名
  • Mineral resources of the Far East Russia.

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抄録

極東ロシアのシホテリアンからチュコーツクに至る地域は, 西方のシベリア地塊 (先カンブリア紀基盤) の周辺に古生代以降の堆積岩類が発達し, 主に中生代中一後期に火山深成岩活動を伴う地質的背景を有し, 下記の様に多様な鉱物資源が発見されている。<BR>1) 原生代中期の地溝帯 : アノーソサイトに伴われるチタン鉄鉱-燐灰石鉱床 (P2O540億トン), 花崗岩に付随するREE, Nb-Ta鉱床など。<BR>2) 原生代最末期-カンブリア紀初期の地溝帯 : 層状Fe-Mn鉱床, 堆積性Pb-Zn鉱床など。<BR>3) オルドビス-シルル紀の融合-衝突帯 : 花崗岩に伴われるSn, F, Nb-Ta鉱床など。蛍石鉱床は大規模で鉱量4,500万トン (CaF2 32%) 。<BR>4) ジュラ紀中期の鉱化作用 : 花崗岩活動に関係する若干のAu, Bi鉱床。<BR>5) ジュラ紀後期-白亜紀初期鉱化作用 : 花歯岩と火山岩活動に関係するSn, W, Uなどのスカルン, 鉱脈型鉱床。Wスカルン鉱床が大きい。<BR>6) 白亜紀後期-古第三紀の鉱化作用 : 花歯岩と火山活動に関係するSn, W, Pb-Zn, Au-Ag鉱脈型, 一部スカルン及び鉱染型鉱床。カバレロボのSn鉱床は金属量34万トンでロシア最大。他にもコムソモリスク西方に数鉱床群。ダルネゴルスクのPb-Zn鉱床はPb-Zn金属量100万トンクラス。コリマーマガダン地域のデュカートAg鉱脈 (図1) はロシア最大の銀鉱山 (Ag金属量18,000トン, Au約50トン) 。金鉱床としてはナタルカ (図1) が大きく, Au約500トン, シホテアリンではアムール河口域のムノゴベルシンノエ鉱脈でAu金属量100トン以上。

収録刊行物

  • 地学雑誌

    地学雑誌 107 (1), 142-143, 1998

    公益社団法人 東京地学協会

参考文献 (4)*注記

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詳細情報

  • CRID
    1390001204230782464
  • NII論文ID
    10002237300
  • NII書誌ID
    AN00322536
  • DOI
    10.5026/jgeography.107.142
  • ISSN
    18840884
    0022135X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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