Characteristics of dynamics and ablation of glaciers in Patagonia.

  • NARUSE Renji
    Institute of Low Temperature Science,Hokkaido University

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  • パタゴニア氷河の動力学および消耗特性
  • パタゴニア ヒョウガ ノ ドウリキガク オヨビ ショウモウ トクセイ

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南アメリカ大陸南部のパタゴニア地域の氷河にて,1983年から1993年にかけて実施された4回の現地調査の成果から,パタゴニア氷河の流動機構,消耗特性,および近年の氷厚変化について述べる.ソレール氷河とモレノ氷河では,流動速度が数時間以内に大きく変動しており,最大値は最小値の約3倍であった.このことから,両氷河の底面すべり速度と氷の塑性変形による速度との比は2:1と見積もられた.夏季の氷融解におよぼす熱収支成分は,全般的に顕熱の寄与が大きく,氷河によっては放射収支を上まわる.また,高温,多湿気候下では凝結潜熱の寄与も放射収支に匹敵する.ソレール,チンダル,ウプサラ氷河では年間3 mから11 mの著しく大きい氷厚減少が観測された.一方,モレノ氷河はほぼ平衡状態にある.そのため,地球規模の気候環境変化の直接的な影響とは考えにくく,局地的な気象条件および氷河動力学に原因がありそうである.

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