混合法による凝固プロセス

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タイトル別名
  • Solidification Processing Using Mixing Technique.
  • セミソリッド加工の新しい展開  混合法による凝固プロセス
  • コンゴウホウ ニヨル ギョウコ プロセス

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抄録

金属の半凝固加工プロセスでは、粒状の固相と液相とが混在したスラリー状の半凝固金属を製造し、これを直接加工して成形体を得る。その基幹技術となる半凝固金属製造法の原理は、固液共存状態の合金を攪拌することにより初晶粒子の粒径を制御するプロセス変数として、攪拌の剪断歪速度と冷却速度とが重要である。前者は攪拌速度の指標であり、後者はデンドライトアームおよびその断片の粗大化程度に関係する。一方、過共晶Al-Si合金のように硬質のファセット状初晶粒子を晶出する合金系では、攪拌の破砕効果のみにより初晶を実用レベルまで微細化することは困難であり、急冷凝固より初晶の核生成数そのものを増加させる方策が必要である。過初晶Al-Si合金は、鋳造用Al合金の中で最も優れた耐熱摩耗性と低い熱膨張率を有する。この特性は、共晶組織中に分散した初晶Si粒子によって担われており、この初晶粒子のサイズの制御が実用上不可欠となっている。例えば、エンジンのシリンダボア部の初晶サイズは、30~50μmが適当とされている。本稿で紹介する「スラリー・溶湯混合法」(SMM法:Slurry-Melt Mixing process)は、微細な初晶Siを含有する過共晶Al-Si合金スラリーを徐冷環境下で製造するプロセスである。本プロセスの特徴は組成と温度の異なる2種類の金属流体の混合により急冷凝固を実現する点にあり、その原理は従来の半凝固金属製造プロセスとは大きく異なっている。

収録刊行物

  • まてりあ

    まてりあ 37 (2), 102-105, 1998

    公益社団法人 日本金属学会

参考文献 (11)*注記

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