臨床検査材料における肺炎球菌の検出状況と薬剤感受性および血清型

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タイトル別名
  • Detection of <I>Streptococcus pneumoniae</I> in Clinical Specimens, Its Antimicrobial Susceptibility and Serotypes
  • リンショウ ケンサ ザイリョウ ニ オケル ハイエン キュウキン ノ ケンシュ
  • Detection of Streptococcus pneumoniae in Clinical Specimens, Its Antimicrobial Susceptibility and Serotypes

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抄録

市内の個人開業医から培養を依頼された検査材料から肺炎球菌を分離した.分離された457株についてoxacillin (MPIPC) ディスク法によるペニシリン耐性肺炎球菌 (PRSP/PISP) のスクリーニングを実施した.また, 同時に73株についてbenzylpenicillin (PCG) のMICを測定し, ディスク法との比較, 薬剤耐性パターンおよび血清型を調べ以下の結果を得た.<BR>1) 肺炎球菌の検出率は各種の臨床検査材料のうち鼻分泌物 (11.4%) で最も高かった.2) 年間検出頻度は11月から3月に高く, 8月と9月に低い季節変動を示した, 3) 患者の年齢層は9歳以下と60歳以上が多かった. 4) ディスク法とMICを比較すると阻止円直径が6mmを示した30株は全て耐性 (PRSP/PISP) であった.また20mm以上を示した20株は全て感受性 (PSSP) であった. しかし, 7mm-19mmを示した23株のうち16株 (70%) は中程度耐性 (PISP) で7株 (30%) は感受性 (PSSP) であった.5) 各種材料から分離した457株のうちディスク法で阻止円直径が6mmを示す菌株は194株 (42.5%), 7mm-19mmは141株 (30.9%), 20mm以上の株は122株 (26.7%) であった.6) PRSP/PISPの70%以上はPCG, erythromycin (EM), minocycline (MINO) を含む多剤耐性菌であった.7) PRSP/PISPの血清型分布は19型 (41.3%), 23型 (21.7%), 6型 (13.0%) の順であり, PSSPでは3型 (18.5%), 6型 (11.1%), 19型 (11.1%) の順であった.このようにPRSP/PISPとPSSPでは血清型分布は異なった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (11), 1163-1170, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (7)*注記

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参考文献 (18)*注記

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