高速炉燃料被覆管用ODSフェライトーマルテンサイト鋼の開発

  • 鵜飼 重治
    核燃料サイクル開発機構, 大洗工学センター
  • 奥田 隆成
    神鋼特殊鋼管株式会社, 研究開発室
  • 萩 茂樹
    住友金属工業株式会社, 関西製造所
  • 藤原 優行
    コベルコ科研株式会社, 受託研究本部, 核燃料サイクル開発機構

書誌事項

タイトル別名
  • Development of ODS Ferritic-Martensitic Steels for Fast Reactor Fuel Cladding.
  • 高速炉燃料被覆管用ODSフェライト‐マルテンサイト鋼の開発
  • コウソクロ ネンリョウ ヒフクカンヨウ ODS フェライト マルテンサイト コウ ノ カイハツ

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抄録

ウランープルトニウム混合酸化物燃料を装填して高速炉燃料要素を形成する被覆管は、高速中性子照射環境下において400~700℃の温度条件で使用される。高速炉の実用化段階では200dpa以上の極めて高いはじき出し損傷に耐える被覆管材料が要求されており、その場合の対象材料はボイドスエリング抵抗性に優れたフェライト系耐熱鋼に絞られる。しかしフェライト系鋼は600℃以上での高温強度に劣るため、フェライト鋼をベースに酸化物を微細分散して高温強度を高めたODS(Oxide Dispersion Strengthened)フェライト鋼が注目される。これまでに高速炉用燃料被覆管材料として開発されたODSフェライト鋼には米国のMA957がある。MA957は14Crフェライト鋼にY2O3を分散した合金であり、難加工性であるため被覆管への製管は800℃程度の温感圧延を必要とし、作製した被覆管は燃料要素として重要な周方向の内圧クリープ強度が極端に低下するという課題があった。そこで筆者らは、高速炉燃料被覆管への適用を目指してODSフェライト鋼に特有の難加工性と低延性、および圧延加工材が有する強度異方性を克服して、冷間圧延による被覆管への優れた加工性と世界最高レベルの内圧クリープ強度を有するODSフェライト-マルテンサイト鋼を開発したので、その概要を報告する。

収録刊行物

  • まてりあ

    まてりあ 39 (1), 78-80, 2000

    公益社団法人 日本金属学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (9)*注記

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