大腸内視鏡検査を用いた大腸がん検診における受診間隔の検討

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  • Adequate Interval of Screening Colonoscopy for Detecting Colorectal Cancer

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抄録

1997年1月から1998年3月までの1年3カ月間に東京都がん検診センターで大腸内視鏡検査 (以下CF) を施行した1,819名 (平均年齢59歳: 男性970名, 平均年齢60歳;女性849名, 平均年齢57歳) を対象に大腸癌検診における至適受診間隔を検討した。対象を初回受診群 (男性460名;平均年齢57歳, 女性495名; 平均年齢55歳) と当センターでのCFの検査既往のある複数回受診群 (男性510名;平均年齢63歳, 女性354名;平均年齢61歳) に分け, さらに複数回受診群を前回異常なし群とポリープ経過観察群 (5mm以下群, 6~10mm群, 11mm以上群) に分け, 各々についてその成績を検討した。<BR>初回受診群の検討より, 大腸がん検診の二次精検を大腸X線検査と大腸内視鏡検査の併用で行い, 病変発見率は51%であった。主に経過観察を行った10mm以下の隆起型を中心とした病変は, 1~2年の経過観察期間では著変例はなく, 当センターにて行っている1~2年の受診間隔で問題ないものと考えられた。1例, 8mmのIspと10mmのIpの隆起型病変の内視鏡的切除後の症例で, 局所再発か見落としかは明らかではないが, 受診間隔が実質4年において内視鏡的切除された部位の近傍に2型進行癌が認められた。前回異常なし群の検討から, 受診間隔2年以内で表面型5病変 (11mm以上の顆粒集簇型病変を含むIIa4病変, 8mmのIIc1病変) が認められた。<BR>CFの場合, ある程度の確率で表面型病変などの見落とし症例が出てくること, 大腸癌の自然史が未だ解明できていないことを考慮すると, 受診間隔を安易に3年, 4年と延長していくことは時期早尚であるものと考えられた。

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