ASLO著明高値を示したIgM骨髄腫

書誌事項

タイトル別名
  • High Activity of Antistreptolysin-O in a case of IgM Myeloma

この論文をさがす

抄録

症例は56歳男性。高蛋白血症,貧血精査目的にて,1991年11月5日当院入院。連鎖球菌によると思われる重症感染症の既往はない。入院時検査所見では軽度貧血を認め,TP 12 g/dlで,IgGが974 mg/dl, IgAが142 mg/dl, IgMが9,270 mg/dlで,免疫電気泳動ではIgMκ型のM-bowを認めた。血清粘度は6.9と高値,ASLOが6,890 IU/mlと著増,尿検査ではκ型Bence Jones蛋白陽性で,骨髄では形質細胞が43%を占め,蛍光抗体法によりcytoplasmic IgMκ陽性の細胞集団を認めた。頭蓋骨X-Pでpunched-out像がみられた。以上よりIgM型骨髄腫と診断し,血漿交換療法の後にVCAP療法を施行したが無効のため,CHOP療法を行ったところ,IgMは低下し,骨髄の形質細胞も17%に減少した。ASLOもIgMの低下に伴い減少した。これらのことは,本症例のIgMはASLO活性を有していたことを示唆している。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 37 (5), 437-442, 1996

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (9)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ