血球どん食症候群を呈したCD4-,CD8-成人T細胞白血病

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タイトル別名
  • Double Negative Adult T-cell Leukemia with Hemophagocytic Syndrome.

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抄録

症例は79歳女性。全身倦怠,黄疸,肝脾腫を主訴に入院。末梢血ではHb 8.0 g/dl, Plt 1.5×104l, 白血球10490/μlで,白血球分画では86%が異型リンパ球で,CD2+, CD3±, CD4-, CD8-の表面形質を有するTリンパ球であった。抗HTLV-1抗体が陽性で,末梢血リンパ球へのHTLV-1 provirus DNAのmonoclonalな組み込みが認められた。骨髄では異常リンパ球の浸潤のほか,幼若~成熟組織球による血球貪食像を認めた。以上の所見より血球貪食症候群(HPS)を伴ったATLと診断。ステロイド,γグロブリン併用療法を行ったが,肝不全のため入院14日目に死亡した。剖検時骨髄標本でEB virus LMP-1がATL細胞と一致して証明された。ATLにHPSを伴った報告は少なく,2つの病態の関連について検討し報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 38 (11), 1199-1205, 1997

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (13)*注記

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