C型慢性活動性肝炎に対するインターフェロン投与後に発症した1型糖尿病の1例

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タイトル別名
  • A Case of Type 1 Diabetes Mellitus Following Interferon-.ALPHA. Therapy for Chronic Active Hepatitis Type C.

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抄録

インターフェロン (IFN) 療法では, 副作用として各種自己免疫性疾患の発症がみられる. われわれは, C型慢性活動性肝炎に対するIFN療法後に発症した1型糖尿病の1例を経験した. 症例は53歳, 女性. 1996年4月よりIFN療法を6ヵ月間施行した. 翌年6月, 誘因なく口渇, 多尿が出現し, 空腹時血糖 (FPG) は470mg/dlを示した. 尿中CPRでは内因性インスリン分泌能の低下を認めたが, steady-state plasma glucose (SSPG) 法ではインスリン感受性の低下はみられなかった. INF治療前のFPG, HbA1cは正常であった. 抗GAD抗体は, 48, 800unit/mlと異常高値を示した. INFによる耐糖能障害は, インスリン抵抗性の増加によるものがしばしば見られるが, 本症例ではIFNが免疫学的機序を介して膵β細胞を障害し, インスリン分泌不全を来したと考えられた.

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 42 (7), 531-535, 1999

    一般社団法人 日本糖尿病学会

被引用文献 (10)*注記

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参考文献 (18)*注記

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