肝pseudolymphomaの1例

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タイトル別名
  • A Case of Pseudolymphoma of the Liver.

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抄録

症例は58歳の女性. 高血圧で近医入院中に腹部CT検査にて肝に腫瘍を指摘された. 血液検査所見では軽度の貧血が認められたのみで肝機能, 腎機能等は正常であり, 腫瘍マーカー, 肝炎ウイルスマーカーは陰性であった. CT, MRIにてS7肝表部に径2cmの腫瘤を認め, 血管造影で同部に淡い腫瘍濃染像を認めた. 炎症性腫瘤が疑われたが, 悪性腫瘍も否定できず, 肝S7の部分切除術を施行した. 病変は黄白色で, 大きさ1.5×1.4×1.3cm, 境界明瞭な被膜のない腫瘤で, 組織学的には正常リンパ節に類似し, 小型の成熟リンパ球, 形質細胞の増生を認め, 所々にリンパ濾胞の形成が認められた. 細胞異型は認めず, リンパ球の増生は反応性の変化と考えられた. また, 免疫組織化学染色によって, 正常リンパ節と類似したT-cell, B-cellの分布が観察され, 肝のpseudolymphomaと診断された.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 39 (1), 23-27, 1998

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (4)*注記

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参考文献 (20)*注記

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