マクロリエントリー性心室頻拍におけるエントレインメント現象時の復元周期について

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タイトル別名
  • Postpaced return cycle in macroreentrant ventricular tachycardia assessed by transient entrainment.

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抄録

エントレイン時に体表面心電図に融合を認めるペーシング部位で復元周期がVT周期に一致する機序にマクロリエントリー性VTを想定し, VT中のマッピングで頻拍機序の証明を試みた.対象は右室心尖部からのペーシングでVTがエントレインされ, かつペーシング部位での復元周期がVT周期に一致した6例である.全例が基礎疾患を有し, 内訳は拡張型心筋症2例, 陳旧性心筋梗塞1例, ファロー四徴症術後2例, 催不整脈性右室異形性1例であった.5例で右脚ブロックと左脚ブロック型の2種類のVTが誘発され, 自然停止例と血圧低下例を除く9VTでマッピングを行なった.1例は右室流出路刺激時に, また他の1例は左室刺激でもVTはエントレインされ, この時復元周期はVT周期に一致した.マッピングにより2例で梗塞巣や手術般痕を障壁とする興奮旋回路が証明された.障壁を旋回するVTの電気生理検査所見として, エントレイン時に融合波形がみられるペーシング部位での復元周期とVT周期の一致が考えられ, マクロリエントリーの間接的証明になると考えられた.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 16 (1), 15-24, 1996

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (33)*注記

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