Helicobacter pyloriのウレアーゼをめぐって

書誌事項

タイトル別名
  • Helicobacter pylori Urease.
  • Helicobacter pylori ノ ウレアーゼ オ メグッテ

この論文をさがす

抄録

H.pyloriは極めて多量のウレアーゼを有しており,ウレアーゼの尿素に対する親和性は強く,その細胞内局在性は他の腸内細菌と異なり細胞質内だけでなく外膜にも存在する。ウレアーゼの遺伝子は9つの遺伝子群によって支配されており,その遺伝子のDNA配列には株間でバラツキが見られ,そのことは疫学的研究に応用されている。プロトンポンプ阻害剤(PPI)は,H.pyloriのウレアーゼ活性を阻害し,その阻害作用はウレアーゼの活性中心に関与するシステインのSH基のブロックによるものと考えられる。PPIはH.pyloriの増殖を特異的に阻害するが,その増殖阻害とウレアーゼの阻害には関連がない。H.pyloriのウレアーゼは病原因子の一つであり,産生されるアンモニアは胃粘膜に障害をあたえたり,菌の定着に重要な役割をしている。H.pyloriのウレアーゼ活性を中和する抗ウレアーゼモノクローナル抗体について述べ,ポリクローナルな抗体と比較した。

収録刊行物

参考文献 (60)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ