Fanconi貧血と思われる再生不良性貧血に続発した急性骨髄性白血病に親子間同種骨髄移植を施行した1症例

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タイトル別名
  • Allogenic Bone Marrow Transplantation for Fanconi's Anemia with Leukemic Transformation from an HLA Identical Father

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抄録

症例は19歳,男性。生後1カ月より貧血を指摘され,低身長,右母指形成不全,皮膚色素沈着,精神発達遅延など多発奇形を合併しており,Fanconi貧血(FA)が疑われ経過観察されてきた。1993年1月より,汎血球減少が著明となり,頻回の輸血が必要となったため,8月31日当科入院となった。入院時骨髄穿刺では,骨髄は有核細胞数1.1×104lと低形成であったが,芽球42.0%, 前骨髄球9.6%を認め,AML (M2)へ移行したものと判断した。少量Ara-C療法で寛解は得られず,HLA完全一致,MLC陰性の父親をdonorとして,10月15日同種骨髄移植を施行した。移植前処置はcyclophosphamideを用いず,Ara-Cとetoposideの大量投与とTBI (12Gy)を併用したが,重篤なregimen related toxicityは認めず,骨髄生着が得られた。急性GVHD予防はciclosporin Aとmethotrexateを用い,GVHDは認められなかった。白血病に移行したFAに対するBMT成功例は少なく,文献的考察を含め報告する。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 36 (6), 615-620, 1995

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (10)*注記

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