20分間の温泉浴後の血清コーチゾール値の変動と温泉療法による副腎皮質機能の改善

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  • Serum Cortisol Levels after 20-minute Bathing Suggest the Function of Adrenocortical Glands in Patients with Bronchial Asthma.
  • 20分間の温泉浴後の血清コーチゾール値の変動と温泉療法による副腎皮質機能の改善〔英文〕
  • 20プンカン ノ オンセン ヨクゴ ノ ケッセイ コーチゾールチ ノ ヘンドウ

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抄録

気管支喘息20例を対象に, (1) 温泉療法前後の血清コーチゾール値を比較することにより, また (2) 20分間の温泉浴後の血清コーチゾール値の変動を解析することにより, 温泉療法の副腎皮質に及ぼす影響について若干の検討を加えた。<br>1. 入院時の血清コーチゾール値が10mcg/dl以下であった喘息症例では, 1-3カ月間の温泉療法後に血清コーチゾール値の有意の増加が見られた。すなわち, 血清コーチゾール値が5.0mcg/dlと9.9mcg/dlの間の症例では, 温泉療法前の7.4±1.9mcg/dlから療法後の9.8±1.7mcg/dlへと, また4.9mcg/dl以下の症例では療法前の1.6±1.6mcg/dlから7.5±3.9mcg/dlへと, いずれも有意の増加を示した。しかし, 血清コーチゾール値が10mcg/dl以上の症例では, 温泉療法による増加は見られなかった。<br>2.20分間の温泉浴により血清コーチゾール値が上昇した症例では, 1-3カ月の温泉療法により血清コーチゾール値の有意の増加傾向が観察されたが, 一方温泉浴後に上昇の見られなかった症例では, 温泉療法後にも有意の血清コーチゾール値の増加は見られなかった。これらの結果は, 温泉浴後の血清コーチゾール値を観察することにより, ある程度温泉療法による副腎皮質機能の改善の程度があらかじめ推測し得ることを示唆するものと考えられた。

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