ヒトパルボウイルスB19感染症を契機に発見された先天性ヘモグロビンH病の日本人1家系

書誌事項

タイトル別名
  • Hereditary Hemoglobin H Disease in Japanese Siblings Diagnosed by Human Parvovirus B19 Infection
  • ヒトパルボウイルス B19 カンセンショウ オ ケイキ ニ ハッケン サレタ センテンセイ ヘモグロビン Hビョウ ノ ニホンジン 1 カケイ

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抄録

ヒトパルボウイルスB19 (HPVB19)感染症を契機に発見された先天性ヘモグロビンH (HbH)病の姉妹例を経験し,その家系につき遺伝子分析を行った。発端者は8才女児で,発熱と顔色不良を主訴に当科を受診,小球性低色素性貧血と溶血の所見を認めた。姉は9日遅れて発熱し,妹と同様の血液学的所見を認めた。陽イオン交換樹脂高速液体クロマトグラフィー法による血色素分析にて異常血色素(β4, HbH)を検出したため姉妹ともαサラセミア(先天性HbH病)と診断した。姉妹とも発熱以外には発疹,関節痛などの症状は認めなかったが,HPVB19のDNAを血液中よりPCR法にて検出し,抗体価の上昇も認めたため,今回の貧血発作はHPVB19感染症によるものと考えられた。また,患児およびその両親についてαグロビン遺伝子の解析を行ったところ,父は(-α37/αα), 母は(--/αα), 姉妹は(--/-α37)であった。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 40 (7), 536-541, 1999

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (13)*注記

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