初診時血球貪食症候群合併眼窩原発悪性リンパ腫の2例

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タイトル別名
  • Two Cases of Orbital Non-Hodgkin's Lymphoma Presenting with Hemophagocytic Syndrome

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抄録

われわれは眼窩原発悪性リンパ腫にHPSを合併した2例を経験した。症例1は64歳,男性。組織型はperipheral T-cell lymphoma, unspecified。PCR法にて組織中にEBV-DNAが証明された。臨床病期はIV B。入院時検査成績:WBC 4,700/μl, Hb 12.1 g/dl, Plt 14.6×104l, LDH 951 IU/l, sIL-2R 2,553 IU/ml, ferritin 5998.1 ng/ml。症例2は73歳,男性。組織型はdiffuse large cell, B cell type, 臨床病期はIV B。入院時検査成績:WBC 9,100/μl, Hb 7.7 g/dl, Plt 15.4×104l, LDH 1,043 IU/l, sIL-2R 10,090 IU/ml, ferritin 2079.3 ng/ml。共に著明な発熱および血清サイトカインの異常高値を認めた。特に症例1では症例2と比較してIFN-γの異常高値を認めた。また骨髄には両症例とも活発な血球貪食像を認めた。2例ともCHOP療法を中心とした化学療法を施行されたが一時的な改善を認めたのみで死亡した。眼窩原発悪性リンパ腫にHPSを合併した報告例は本症例を含めて4例のみであり,貴重な症例であると思われた。同時にHPSの発症機序を考える上で興味深いと思われた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 41 (1), 48-53, 2000

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (15)*注記

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