線維筋痛症に対する硫化水素泉浴と超低温寒冷暴露による鎮痛効果の比較研究

  • Gutembrunner Chr.
    Institut für Balneologie und Medizinische Klimatologie Institut für Balneologie und Rehabilitationsforschung, Bad Nenndorf
  • Englert G.
    Institut für Balneologie und Rehabilitationsforschung, Bad Nenndorf
  • Neues-Lahusen M.
    Institut für Balneologie und Rehabilitationsforschung, Bad Nenndorf
  • Gehrke A.
    Klinik für Physikalische Medizin und Rehabilitation of the Medizinische Hochschule Hannover

書誌事項

タイトル別名
  • Controlled Study on Analgetic Effects of Sulphur Baths and Cold Chamber Exposures on Patients Suffering from Fibromyalgia.

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抄録

17人の女性の線維筋痛症 (ACR基準で判定) を対象とし、天然の硫化水素泉浴 (20.4mg H2S/1、不感温度域で20分間) と、人工寒冷装置を用いた超低温寒冷暴露 (-67℃、1-3分間) の鎮痛効果を、非治療時を対照として比較検討を行った。測定項目は圧、温熱・寒冷刺激による痛覚閾値、痛みの強度と全般の快適度 (VAS) であった。各例で痛覚閾値は両側前腕で測定し、片方の前腕のみを温浴や寒冷に暴露した。<br>硫化水素泉浴後では全例で全刺激による痛覚閾値が有意に増加した。同様の効果は寒冷暴露でも見られたが、熱刺激による痛覚閾値の上昇は有意に弱かった(p<0.05)。硫化水素泉浴による鎮痛効果は入浴しなかった側の腕でも観察されたが、寒冷暴露テストでは暴露しなかった側の腕では鎮痛効果が見られなかった。痛みの強度と全般快適度は両方の治療法で高い有意性をもって改善された (-12%から-32%)。<br>結論として、線維筋痛症には天然の硫化泉浴と超低温寒冷暴露の両療法とも鎮痛効果がある。そして硫黄泉浴は明らかに全身性系統的に作用するが、寒冷療法は主に局所的に作用するものと考えられる。

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参考文献 (44)*注記

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