細菌性眼内炎を伴った肝炎症性偽腫ようの1例

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タイトル別名
  • A case of inflammatory pseudotumor of the liver associated with endophthalmitis

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抄録

症例は68歳女性. 微熱と食欲不振を認め受診. 上部消化管内視鏡検査で胃前庭部に早期胃癌 (0'I) を認め, 腹部USで肝左葉に径77×80mm大の肝内占拠性病変を認めた. 入院時血液検査ではWBC 9700/μl, CRP 15mg/dlと炎症反応の著明な上昇を認めた. 経過中左の眼内炎を併発し, 肝膿瘍からの転移性眼内炎と考えた. 抗生剤の投与により炎症反応の改善を認め, 肝内占拠性病変も著明に縮小した. 一方転移性眼内炎と診断した左眼は強膜の融解を生じたため眼球摘出術を施行. 摘出眼球の培養より Klebsiella pneumoniae が検出された. さらに肝内占拠性病変はエコー下吸引肝生検組織標本にて肝炎症性偽腫瘍と診断. 肝炎症性偽腫瘍に眼内炎が併発した興味ある1例を報告した.

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 42 (12), 664-668, 2001

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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