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抄録
外観観察や撮影写真で行われている従来の男性型脱毛評価法を,客観的に評価する評価法の開発を試みた.様々な評価法の客観性や簡便さを場すために導入されつつある画像解析を導入し,頭部撮影写真を用いて,脱毛の程度を頭部面積に対する薄毛面積の百分率(薄毛率)として数値化した.画像解析では試験結果に直接影響を与える二値化シキイ値設定が測定者によって大きく異なったが,脱毛状態を評価するうえで重要な脱毛周辺部を十分に観察するための適当な光量下における画像取り込みにより,術者間の誤差が極めて少ない結果を得ることができた(3回の測定による変動誤差:CV値:coefficient of variation)は平均0.24%,測定者間でのCV値は0.11%).本方法により,代表的な男性型脱毛分類であるNORWOOD-高島法における各ステージの脱毛程度を数値化した場合,Ⅱ型(正常):4.89%,Ⅱv型:9.39%,Ⅲv型:19.09%,Ⅳ型:29.53%,Ⅴ型:42.59%,Ⅵ型53.26%であった.この様に男性型脱毛者の脱毛程度を定量的に数値化することによって,従来,確立されていなかった客観的な脱毛状態の定量的評価を,簡便で無侵襲に行えることが示唆された.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 106 (9), 1205-, 1996
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205740302976
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- NII論文ID
- 130004680979
- 10007726859
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- NII書誌ID
- AN00196602
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可