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抄録
網膜剥離,白内障を伴ったChronic actinic dermatitis(以下CADと略す)の2例を経験した.症例1,69歳,男性.20数年来顔面,手背,頚部など露光部に重症皮膚病変を有し,網膜剥離および白内障を伴っていた.症例2,59歳,男性.10年間持続する顔面の苔癬化病変を有し,白内障を伴っていた.いずれも光線テストにてUVA,UVBともに過敏性を示し,CADと診断した.2例ともアトピー素因が見出せなかったが,これらの眼科的所見はアトピー性皮膚炎に伴うものと類似していた.その理由として,アトピー性皮膚炎と同様に,顔面のかゆみを伴う皮疹を叩打することが誘因となった可能性が考えられた.アトピー性皮膚炎だけでなく,自験例のような光線過敏症でも顔面の重症皮膚病変が網膜剥離や白内障の誘因となる可能性があり,顔面の皮膚炎には適切な治療によるコントロールが重要と思われる.
収録刊行物
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- 日本皮膚科学会雑誌
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日本皮膚科学会雑誌 108 (6), 863-, 1998
公益社団法人 日本皮膚科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680715745152
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- NII論文ID
- 130004681110
- 10007729917
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- NII書誌ID
- AN00196602
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- ISSN
- 13468146
- 0021499X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可